『宮永愛子展「くぼみに眠る海」』 ミヅマアートギャラリー

ミヅマアートギャラリー
『宮永愛子展「くぼみに眠る海」』
2022/7/6〜8/6



ミヅマアートギャラリーで開催中の『宮永愛子展「くぼみに眠る海」』を見てきました。

1974年に生まれた宮永愛子は、日用品をナフタリンで象ったオブジェなどで知られ、近年は高松市美術館にて個展『槽法』(2019年)を開いたほか、『東京ビエンナーレ2020/2021』に参加するなどして幅広く活動してきました。



その宮永の新作からなる個展が「くぼみに眠る海」で、ガラスやナフタリンによる彫刻などが展示されていました。



今回の個展で目を引くのが、いずれの彫刻も動物をモチーフとしていることで、犬や熊、それに鳥のほか、大きなトランクの中には鯉が泳ぐかのようにして表現されていました。そしてナフタリンとガラスの素材を問わず、自ら光を放つように白く輝いていました。



また白い台の他に古びた木の箱には石膏の型がいくつか入れられていて、「熊」や「ツル小」と記した文字が紐でくくりつけられていました。いわゆる作品として位置づけられることのない、いわば脇役の石膏型をあえて展示しているのも面白いかもしれません。



宮永はコロナ禍の中、期せずして故郷の京都に居を移し、16年ぶりに同地にて生活をはじめました。また宮永の実家は曽祖父である初代宮永東山が開いた宮永東山窯で、家の工房には整理がつかない石膏型が山積みになって置かれていたとしています。そして宮永も幼い頃から型のある景色の中で日々の暮らしを送りました。



もはや宮永にとっての型とは生活の一部であったのかもしれません。ガラスやナフタリンといった脆さやはかなさを感じさせる彫刻とは異なり、まるで歴史が蓄積した化石のように重みのある型にしばらく見入りました。


予約は不要です。8月6日まで開催されています。

『宮永愛子展「くぼみに眠る海」』 ミヅマアートギャラリー@MizumaGallery
会期:2022年7月6日(水)〜8月6日(土)
休廊:日・月・祝
時間:12:00~18:00
料金:無料
住所:新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2階
交通:東京メトロ有楽町線・南北線市ヶ谷駅出口5より徒歩5分。JR線飯田橋駅西口より徒歩8分。
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