かなり怒った! K君はひどく怒っていた! スタッフルームに聞こえてくるほどの大声だった。
K君が 「死じまえ!」と、魂から叫ぶように怒った。
取っ組み合いになる気配充満なので・・スタッフに飛んで行かせて、わけた。
簡単に怒りが収まらない・・、
「殴ってやりたい、殴らせてくれ!」 絞り出すようにいい、廊下に響きような大きな叫び声もあげた。
しばらく 彼の怒りの声と様子を観ていた。
そして、他の子ども達のところへ行った。
しかし、どちらに原因があるかは、問わない・・
オトナ風にことの発端から調べたところで 短期に出会った子ども達の中のできごとで、
明日から別の生活をするのだから、深くは詮索しない。
しかし、何があったか、知らんが・・・、ここまで人を怒らせることは 尋常ではない。
そのことを 他の子ども達全員を前にして、強く叱った!
「どちらが悪いのか、いいのか、私は知るつもりはない。 でもな、あんなにも人が怒る
ということは、たいへんなことが彼にとってあったという事なんだぞ。
人それぞれ皆違うんだ。人との付き合い方をもっと考えろ」
そして、K君とは お昼ご飯を二人の男子スタッフと一緒に食べた。
「嫌なことをされて怒るのは当然だ。」
「怒るって、エネルギーがいるだろ。 腹が減るよなあ」
俺たちは 君の怒りに共感をしている、理解しているとのメッセージと態度の表明だ。
どっちがどっちに謝らせることはしない。喧嘩両成敗もしない。 彼らは彼らなりに複雑な理由があった上での喧嘩だ。
スタッフが入って、短時間で「ごめんなさい」と言わせるだけになる。
だが、お互いに 嫌な思いをしたことだけは、心に留めさせたい。
K君は自分が 怒りんぼだということ、自分は喧嘩っぱやいことも 実はわかっている。
以前、私の目の前で起きたトラブル(どっちもどっちだなあ、といういうような、言い争い)のあとに、
私に直接、そう言ったことがある。
だから・・「言い返す前に、2秒考えろ」って むちゃなアドバイスをしている。
今回は、帰りがけに「いかり溜めのヒョウタンをあげた」
(写真よりちょっと小柄、いかりどめ のひょうたん って墨で表面に書き込んだ)
大事そうに彼は手に納めた・・・。
「あんな、これは いかり溜めのヒョウタンって言うんだ。
今日みたいに、めっちゃくちゃに怒りたいときに、このヒョウタンを握りしめるんだ。
この野郎!!ってな。 このヒョウタンに怒りを入れてしまうんだ。
でもね、強ょ~く握りしめすぎると ヒョウタン割れて・・・自分が怪我するぞ」
「怒りも行き過ぎちゃうと、自分を傷つけてしまうよ」
彼は、もう一度、かざすようにヒョウタンを両手で持って、見つめ・・・私に言った。
「わかった、壊れるんだよね、怪我するんだよね」
ちょっとは効いてくれるかなあ。