2012.11.22(木)曇
図書館で借りて既に読んでいるが(2012.7.7参照)今回購入して再読した。高価な本で、参考書的辞書的に使う本は図書館で借りて内容を吟味してから購入することにしている。そういう意味では、当初借りて読んでいるのはあまり深く読み込んでいない。購入して初めて落ち着いて読書が出来るものである。
本書の内容については既に紹介済みなので略するが、気づいたところがいくつかあるので書いておこう。
16名もの執筆者で書かれているので、内容の重軽がある。思いつくままに書かれたものもあれば、十数年研究を続けてこられた結果を書かれているものもある。
地名研究というと言葉の探究ということになりがちだが、テーマが金属地名となっているだけに、生産加工現場と地名がリンクしており客観的、具体的な内容となってわかりやすい。
特に考古学の専門家が地名をもとに遺跡を発見している現象というのは、地名研究という分野が考古学に認められ始めたということであろう。これは伝説伝承などの民俗学的な分野についても同じ事がいえる。
逆を返すと「〇〇地名は△△のことを言う」と大上段に振りかざす地名学者ややたらと「〇〇氏は著書△△で述べている」と引用ばかりで自らの思考の無い学者の存在感が無くなりつつあると言うことだろう。引用だけでも、発想だけでも駄目であって、証拠根拠が必要である。
本書の中で秀逸といえる論文は、羽場睦美氏の「「炭焼長者伝説」全国調査の概要」である。
炭焼長者や芋掘り長者などの伝説は金属に関連する伝説として有名だが、この炭焼長者伝説について16年間全国を調査され、未だ調査中という大作である。この調査研究の最も偉大なところは、民俗学的な伝説を単に民俗学的な調査をされるだけでなく、実に多方面にわたる科学的なアプローチで調査されたことである。
民俗学、文献史学、考古学、冶金学、地質・鉱物・鉱床学といった分野からアプローチされたということである。面白いのは地名学が入っていないことである。
本書の元になっている第15回全国地名研究者大会に出席して、炭焼長者伝説が論議されていることに驚いたと表されている。
青森から鹿児島まで炭焼長者伝説のあるところにおもむき、上記の各分野からのアプローチをされた結果(中間報告)が表になって示されているが、実に科学的な視点で調査されているかが理解できる。
大分県の中津江町の鯛生金山にも炭焼長者伝説がある。写真はその南、上津江町笹野の黄金の滝と言われるところ。笹野、程野などの地名があり、こちらは鉄に関係ありか?(2007.3.23)
結果、柳田国男氏の定説、炭焼長者伝説は鋳物師・鍛冶師にまつわる伝説であるというものを覆すことになるのである。
これはとても重大なことで、多くの歴史学者が金属に関連して、伝説や伝承に登場する金(カネ)は鉄のことで、決して金(Au)ではないという風に言ってきたことが覆るということだ。実際羽場氏の一覧表では、炭焼長者伝説にまつわる鉱山、遺跡は金、銀、銅、鉛などが産出し、製鉄遺跡などは見当たらないのである。
【作業日誌 11/22】
ウッドデッキ基礎作製
【晴徨雨読】114日目(2006.11.22)大和~鎌倉~横浜
東京は自転車で走る気がしないので、横浜を根城にして電車で廻ろうと思う。宿泊費の安いYHにしたら、横浜になったわけだ。大和から藤沢までは素晴らしい自転車道、境川自転車道があった。都市部だけあってもの凄く利用者が多い。自転車道もこのくらい使われれば値打ちがある。江ノ島、鎌倉は全然興味が無く通りすぎるだけ。
都市部の自転車道はありがたい
【今日のじょん】:ダニ、猿、鹿
随分気温が下がって、もうダニも居ないだろうと高を括っていたら、ケートクチンしながらでかいダニを見つける。もう長いこと見たことが無いのでショック、フロントラインまだ必要かな。
夕方の散歩ではかみさんがすぐに帰ってきた。「猿がおるで」ってんで見に行くとこれまたでかいはぐれ猿が通路の真ん中にいる。これも長い間来ていなかったのでショック。
そして深夜、ブログに「猟期が始まって鹿の鳴き声が無くなった」などと書いた途端に、家のすぐそばでピーと大声でやられたショック。
潰されたでかいダニ、堤防でイノシシの痕にクンクンやってたから着いたのかな。