2012.12.15(土)曇
シデの山地名考(6)は2011.7.5参照
すずゆわの写真を見て一部鍾乳石と勘違いした、いわゆるすずゆわ事件以来、
スズ=シズ=鍾乳石を追究してそれらしい地名のところを調べたが、シズが鍾乳石を表すという確証は得られなかった。
山稜からはすずゆわはよく見えない。鍾乳石かと見誤った問題の写真。
全国方言辞典で、スズ、シズに共通する言葉が清水、清水の湧き出るところ、である。主に東北地方の方言のようだがこれだとすずゆわにも質志にも共通する。
すずゆわは3,40mのチャートで出来た大岩だが、鳥垣渓谷の右股の源頭にあり、清水の湧き出るところと解釈も可能である。現実に岩壁の所から湧き出ている様子は無いのだが源頭の岩という意味で付けられたのかも知れない。
津波被害の大きかった南三陸町志津川(しづかわ)も清水に由来する地名と言われている。(日本地名ルーツ辞典)
スズという読みかたでは石川県の珠洲市(すずし)、三重県の鈴鹿市が有名だが、こちらは清水という意味では無さそうである。
珠洲市は能登半島の先端の市であり、観光のシンボル見附島を見れば誰でも知っていると思う。”すず”は方言辞典では稲の穂、わら、”すずき”はわらを木に結い上げたもの、掛け稲をすることなどとある。
珠洲市の須々神社の鎮座する山が鈴ヶ岳であり、「稲積」の意味があって珠洲市の由来になっているという。(古代地名語源辞典)地図で調べるとこのような山は見当たらず、どうやら須々神社奥宮の山伏山(172m)のことのようだ。ところがこの奥宮のあるところは狼煙町というところであり、かつて灯台の役をする灯明堂があったという。狼煙(のろし)の古訓がススミというそうで、珠洲の語源となったとも書かれている。(ルーツ辞典)
先般シデ山に登った際に、光明寺では葬式が営まれたりする際に狼煙を上げていたという話を聞いた。丁度光明寺の川向かいとなる高台のすずゆわで連絡用の狼煙が上げられたとしても不思議では無い。すずゆわの上部に狼煙の跡でもあったとしたら事件である。
【今日のじょん】:夕べは雨風が激しかった。じょんも怖がってるやろなと思っていたら、朝起きるときっちりゴミ箱荒らしをやっていた。荒らしといっても可愛いものでティッシュなどちょろっと掘り出すだけだが、なかなか面白い現象ではある。