2012.12.22(土)雨 近江-5は2012.12.11参照
桜井さんが膳所の住宅地図を持ってこられたが、別所池の記載は無かった。また、別保鉱山の位置もわからなかった。結局確定できたのは別所山のみだが、別所谷はその付近だろうし、別所池はその北にある小さな池かもしれない。いずれにしてもこの情報を柴田氏はどこから得られたのだろう。
別所山は国分尼寺があったところといわれているようで、遺跡の調査がなされていれば鍛冶工房跡ぐらいはあるかもしれない。
別保鉱山は戦後も稼働していたもので、調べればすぐに判る位置だと思う。予想としては膳所上別保町、清掃工場のあたりでは無かろうか。
別保、別所にこだわるのは前回述べたように、”別”にこそ金属に関連する意味があるのではないかと予想するからである。
別保を訪れた際に、膳所平尾町のマンガン坑跡を探したのは同じ様な意味がある。常々金属関連地、特に産鉄地に”ヒラ”の付く地名が多いことは気づいていた。
大平は特に多くて、「金属と地名」の中で鈴木市郎氏は以下のように述べている。
「地名との関連としては、ダダラク(陀々羅丘)というそのものずばりのタタラ地名が涌谷町太田にあり、またオオダイラ(大平)という〈デェデラ=タタラもしくはオオタタラ〉の転と考えられる地名が二箇所あることが特記される。」(P166)
ダイダラボッチ伝説が金属関連のものであることも合わせて興味深いものがある。
一般的にヒラは傾斜地、崖を言い、近江の比良山はその意味かと思うが、実際には諸説あるようだ。
大津市なぎさ公園から比良山系、古生層と花崗岩からなる鉄鉱鉱床が存在する。
鯖街道で有名な国道367号線の花折峠を北に下ったところに平(たいら)という集落がある。澤潔氏はこの地が産鉄関連の地で、平はタタラの転だろうと述べておられる。(日本地名ルーツ辞典)
この地には谷有二氏が、金属関連地名だろうというサカサマ谷(日本山岳伝承の謎)があり、その先にはこれまた金属関連伝説の小女郎ヶ池がある。
京都側に目を移すと花脊別所町に大平谷があり、古代の製鉄に関連があろうかとも言われている。
「金属と地名」の中に防長地方の金属地名という論文があって、平生町(ひらおちょう、かつては平尾町であったそうだ)の金属地名、金山、金代、国金と紹介されている。これだけでは何とも言えないなと地図を繰ってみる。
すると平生町佐賀に別所があり、金山という地名はこの佐賀にあるようだ。
平生町を真っ直ぐ北に辿ると、柳井鋳物師で有名な柳井市になるのだが、そこに小平尾、院内という地名があり、その北に大平山(314m)があるのである。
平尾、平、平生地名については枚挙にいとまが無いのだが、それがタタラの転であるかどうかは別として、金属関連地名であるとは思っている。
そういう意味で膳所平尾町のマンガン坑を掘った鉱山師は、平尾という地名と大山住神の祠を根拠にしてあの谷に入ったのではないだろうか。
マンガン坑があったと思われる谷、膳所平尾町から行ったが谷そのものは膳所池ノ内町のようだ。
【作業日誌 12/22】
玄関用すのこ作製
【今日のじょん】:お立ち台じょん
食事用の台を作ってやったら、そこに乗るようになった。