晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 「日本の風景を歩く 丹波・丹後」(1) 12/2

2013-12-03 | 雨読

2013.12.2(月)晴れ

 「うら西、ウラニシ」と言っても何のことだか解らないだろうけど、「寺泊」の中の「短い旅ー峰山」のなかに出てくる。
 
 運転手に急に峰山にゆくというと、向うはうら西だ、といった。
「うら西って何かいね」
「丹後は、うら西の季節ですよ。このごろはめったに晴れた日はありません。西の方から、吹く雨風ですわな」

 ウラニシを初めて知ったのは、「探訪丹後半島の旅」(澤潔著)の中である。澤さんも水上先生もウラニシが好きである、という風に書いてあるのだ。
「丹波・丹後 日本の風景を歩く」水上勉著 河出書房新社 2000年4月初版 古書P1010911

 


 ウラニシというのは元々冬の丹後に吹く西風のことと思うのだが、柳田國男の「風位考」の中にも見当たらない。もっとも風に関する言葉は2,000以上あると言うことだから出てこなくても無理はない。大辞林などでは浦西と書いて、秋、冬に吹く北西風とある。どうやら山陰地方で晩秋から吹くにかけて吹く、西および北西風のことをいうらしい。
 冬の日本海へ行くと信じられないような波が立ち、肌を刺す雪交じりの北西風が吹く、これぞウラニシかと思うのだが、どうもそれだけでもないようだ。つまり、ウラニシとは山陰の海岸縁に特有の風かと思ったのだが、海岸縁だけではなさそうなのである。
 綾部市史上巻の地理編、気候の性質に、この地方の風として「アイノカゼ」「ニシカゼ」「ウラニシ」と書いている。
 
「アイノカゼ」は暑い夏を過ぎて涼しさをもたらす秋口の風である。年間を通じて吹いている西寄りの風が北に廻り、寒さと吹雪を運んでくるのが「ウラニシ」である。
 アイノカゼにせよウラニシにせよ、本来は風と生業が直結している海岸線での事なのだと思っていたが、実は海からいくつも山を越えた内陸であっても生きているのである。これは予想外のことだったのだが、はたしてこの丹波の地に「ウラニシ」という言葉が残っているものなのか疑わしい。しかし、この冬を象徴する「ウラニシ」が好きだというのは一体どのような心境なのだろう。つづく

【作業日誌 12/2】
ジャガイモ、ヤーコン収穫終了
夏野菜を完全にかたづける。
P1010893



ジャガイモは植え付けが遅くて最悪、ヤーコンは豊作。

【今日のじょん】気温は随分下がってきたが、天気は良くて九時半頃になると霧も晴れてまぶしいほどの陽光が射す。散歩して、一遊びして、朝飯食って、仕事前のこの一時が至福の時である。なにっあんたのことかいなって?じょんのことですよ。
P1010891

コメント
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