2013.12.10(火)雨
仏心の無いわたしにとって、感謝や有難みなどと言うことばは好きでなかった。生きるために必要な食べ物や物についても、自分が苦労して働いて手に入れているのだから当たり前だという不遜な気持ちであった。
ところが、年を重ねたせいか、いくつも苦労が続いたせいか、最近あらゆるものに有り難みを感じるようになってきた。特に畑で野菜を作ったり、野山で山菜を採ったりするととにかく食べ物は美味しくて、有り難いなあと思うようになる。
じょんが走っているこの画像の中だけで、フキ、スカンポ、セリ、大葉、ワサビ、ミョウガ、ミツバ、筍が自生しており、ラッキョウ、タマネギ、ネギ、ニンニク、シイタケが栽培され、柚が植えられている。
ストーブの薪だってそうだ。我が家の薪はすべて人の善意に頼っている。頂き物ばっかりなのだ。もちろん伐ったり運んだり、割ったりは自分でやるけれども。
そんなだから一本一本面が違う、一応広葉樹ばかりなんだがナラやクヌギといった上等な薪ばっかりじゃない。庭木もあれば藤の巻いた雑木もある。良い木もそうでない木もそれなりに燃えて温度以上の暖かさを与えてくれる。沸かした湯は湯たんぽに、残った澳(おき)で芋を焼く。燃え尽きた灰は畑に撒いて肥料とする。
昨冬まで大工さんでもらってくる廃材を細かく割って焚きつけにしていた。それを今年から柴に替えたのだ。昔なら一片たりとも落ちていなかっただろう柴が今ではその辺にごまんとある、しかもしっかり枯れてすぐに使える。そして柴を拾ったあとが随分ときれいになるのだ。この柴で火を着けるとなんか凄いいいことをしたような気分で、余計有り難さを感じるのだ。
残った澳で芋を焼く。
なんとなく禅の心ってこんなんかなと嬉しくなる。イライラカッカしていた自分が馬鹿みたいに見えてくる。
上林に住んで食べ物が美味しくなったのは、やっぱり土を喰っているからなんだね。水上先生みたいに土を喰うメニューを紹介していきたいと思う。
【作業日誌 12/10】窓掃除。湿気とカビの上林では窓枠が真っ黒になる。この黒いカビの上に島のように白いカビが浮いてきた日にゃあ気分悪くて吐きそうになる。こいつを雑巾と古歯ブラシ、ついには綿棒まで動員して磨き上げる。精進ですなあ。一日かかって4枚程度、正月までに終わるかしらん。
柚大根作り
【今日のじょん】今夜はなんか精神的に不安定のようで、寝ないで、カメムシを見つけては吠えまくっている。勘弁してくれ、部屋の中で吠えられたら頭に響くんじゃ。