晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

食材偽装に思う(3) 12/6 

2013-12-06 | 食・レシピ

2013.12.6(金)曇り 前回「食材偽装に思う」は2013.11.24

 食材偽装のニュースが出尽くしたかと思ったら、偽装をした企業のトップが代わったり、偽装が確認されても公表していなかった高級ホテルのニュースが流れている。
 ことの本質を追求する報道が無くなってしまった。今回の不祥事を期に企業も職人も消費者も食について見直そうといういい機会だったのに残念である。
 読売新聞の記事「食材偽装 私の視点」は前回紹介した小泉武夫氏に続き、ロバート・キャンベル氏、三浦 展さんが書いておられる。
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食材偽装問題は幕引きすることなく、食の問題を議論する場にして欲しい。

   三浦さんは「本物親しむ人増やそう」というタイトルで書かれている。
 
 
 
子供の頃からファストフードや冷凍食を食べてきて、でも、それだけじゃまずい、と思っている。偽装せずに正直に言うことは当然だが、それ以前に、本物に親しむ人を増やすべきです。
 と書いておられる。冷凍食品は保存技術で、本物か偽物かという意味では該当しないと思うが、氏の言わんとされることは理解できる。
 例えば今回問題になった牛脂注入肉だが、精肉業者はこの方法は永年の工夫を重ねた正当な技術で、肉を柔らかくしておいしく食べられる画期的な加工だと言っている。まさにそのとおりで、一流ホテルでも使うぐらいだから素晴らしい加工技術なんだが、本物では無い。本物はそのようなことをしなくても柔らかくて美味しい肉のことだろう。消費者が日常の食生活で常に本物を食することは、経済的にも調理技術面でも時間的にも難しい。しかしニセ物ばかりの食生活では本物の味が分からなくなる。
 前回に書いたように、本物を出す料亭なりレストランなり町の食堂ならなおいい、そういうグループなり認定などがあって、そこに行けば本物が食べられるというところが欲しいものである。そこに行けばきっとまずく感じるだろうけど、まずければまずいほど普段の食生活がインチキだと認識できるのではなかろうか。つづく

【作業日誌 12/6】
芝生広場草引き、とりあえず終了

【今日のじょん】本格的落ち葉の季節となった。ドッグランどのお客様はまだ在りそうなので、とりあえず芝の部分だけ処分したのだけど、ドラム缶2杯である。
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11月29日、12月5日

 

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雨読 「古代史津々浦々」 12/5

2013-12-06 | 雨読

2013.12.5(木)快晴

 8月6日に亡くなられた森浩一さんの著作である。その先生の口癖は「考古学は地域に勇気を与える」であったそうだが、その口癖を如実に表している書が本書である。北海道から鹿児島まで各地での講演をまとめたものが本書である。
 森さんは講演に際して原稿は書かれなかったという、その土地土地で聞きに来られた方々の顔を見ながら話されていたという。従って細かな数字は出てこないし、考古学的諸問題を論理的に解明しているものではない。
「古代史津々浦々 列島の地域文化と考古学」森浩一著 小学館発行 1993年12月1日初版第三刷 古書
P1010932

 


  研究論文やシンポジウム報告など各種の出版がある中で、反骨と言われた森さんの研究姿勢、ポリシーを余すところなく表現されているのが本書だと思う。

 「地域に勇気を与える」とはいかなることか。
 森さんがそのことを言われたのは、吉野ヶ里遺跡が注目を集め始めた時の鳥栖市でのシンポジウムの席と言われているが、それは単に吉野ヶ里遺跡が予想外に多くの人を集め、観光や地域振興に大きな影響を及ぼしたということだけではない。
 考古学、歴史などの分野ではとかく大和や京都などが中心に考えられ、地方で発見された遺物は常に中央の政権の影響下にあったなどと推測される。また何か発掘されると大和でならマスコミも大騒ぎするが、地方でなら地方紙の隅に小さく載るぐらいだ。こういった見方、状況に真っ向から反論されている。
 中央集権国家と言えども、実際に権力を及ぼすのはわたしたちが歴史の授業で習ったよりも随分後のことと思うし、地方の小国家とも言える豪族達が常に中央と接触、関連を持っていたとは考えられない。地方で発見される遺跡や遺物を中央の従属物、下賜品とばかり見ていたのでは本当の歴史は見つからない。
 というようなことではかなろうか。
 ある新聞社が戦後の十大発掘を選んだ際に、森さんは北海道の有珠モシリ遺跡を入れるために高松塚古墳を外したという。北海道の人は勇気が出たことだろう。

 また森さんの素晴らしいところは、真実を探求するために民俗学的な伝説や神話、地名などを遠慮無く参考にされるところである。それは専門的な考古学者には珍しいことでは無いのだろうか。本書の中にも記紀、風土記、万葉集はもちろんのこと、中世、近世の書も沢山登場し、浦嶋伝説、徐福伝説などもおおいに参考にされている。真実にたどり着く近道でもあり、なにより考古学をより分かりやすく、親しみやすいものとしている効果が大なのでは無いだろうか。
 森さんの魅力的なところはいくらでもあるのだが、それはこれから読み続けるだろう森さんの著書の紹介時に少しずつお目にかけよう。

【作業日誌 12/5】芝生広場草引き
P1010919



あらゆる雑草が生えているので用具もこんなに増えてしまった。

【今日のじょん】新じょん語録 おもむろじょん
 うどん犬じょんは、昼ご飯に麺類があると寝ていたサークルから何事もないかのように出てくる。そしてストレッチをして、「あっ昼ご飯か」と今気がついたような態度をして、おもむろにおかーの横に座る。そして「べつにええねんで」というような顔をしつつ目は麺類に釘付けである。
P1010922

  
 

コメント (2)
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