晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

食材偽装に思う(4) 12/7

2013-12-07 | 食・レシピ

2013.12.7(土)曇り

 ロバートキャンベル氏のタイトルは「産地にこだわりすぎ」だ。今回の食材偽装の中にも産地を偽装しているケースが多くあった。そして彼らの言い訳は決まって、「品薄で産地から食材が入らなかったので他の産地のものを使ったが、悪気はなかった」というものである。なかには「他の産地のものを使ったが、仕入れ値は同じである」なんて言ってる所もあった。なんとも消費者を馬鹿にした答弁だ。
 こうなると食材偽装の原因は単にコストの問題だけでも無さそうだ。
 欧米でも食や食材に対するこだわりは同じようにあるそうだが、その土地を訪れた時に食べればいい、と言うような考え方のようだ。
 確かに特産地の食材は美味い、それにはそれなりの理由がある。大間のマグロが美味いのは、津軽海峡の潮の流れとイカ、サバ、サンマなどの豊富な餌のためと言われる。しかし同じような条件の所は他にもあるだろうし、調理の仕方によってはより美味しくいただける法もあるだろう。つまり、マグロ料理は大間産でなければいけないというような風潮が今回の偽装問題を生み出した一つの原因かも知れない。
 2006年、わたしは大間を訪れた。少々高価でも大間マグロを食することが出来るだろうと期待したのだが、訪れる店にあるのはイカばかりで、マグロは写真ばかりだった。「マグロは無いのですか?」「マグロはみんな築地に行っちゃうのでここでは食べられませんよ」「・・・・・・」
 大間のマグロが大間では食べられなくて東京に行かなければならないなんて、ばかげた話だ。
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大間では作り物のマグロにしか会えなかった。沢山の漁船が入り乱れ、無線の声が届くのはマグロ漁か、(竜飛岬から)

  例えば今、大間マグロは大間でしか食べられないとすれば、飲食資本や優秀な調理人は大間に集まり、連日各地から大間に人が集まるようになり、築地に出荷しているより何十倍もの経済効果はあろうと思うのだがどうだろう。
 
 
 その四日後に大間の対岸の戸井を通る。戸井漁港も大間にならってマグロ漁が盛んだ。考えてみれば同じ環境の漁場でとれるわけだから味も同等のものだろう。大間ほど名が売れていないから少しはリーズナブルかと思ったが、噂では結構高値になっているということだ。時間的に食事に合わないので通り過ぎてしまった。
 この季節になるとやはりカニが恋しくなる。最も有名なのが間人ガニで、高値で我々庶民の口には入らない。なんでそんなに高価で美味いのかというと、嘘か誠か分からないのだが、小さな港で水揚げ量が少ないので京都や大阪に出荷できず、地元で消費するから新鮮で美味いのだという。つまり湯がいたり冷凍したりしないですぐに調理に回されるということだ。また、漁船も小さいので遠くに何日も漁に出られない、獲ったカニはすべてその日に港にあがるということだ。
 この話が本当なら、産地のあるべき姿はこういうものだろう。食べたい者は現地に行って食べればいいわけである。
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今頃丹後半島はカニずくし(写真は丹後町久僧)

  水揚げが少ないために高価になるのが玉に瑕だが、その水揚げすべてを京都、大阪の市場に出せば、それどころじゃない値段になり、味はぐっと落ちることだろう。つづく

【作業日誌 12/7】
芝生広場サッチ掻き

【今日のじょん】これはおねだりポーズ、あごのせじょんのバリエーションである。このまんまいつまでもじっとしているのである。いつもおかーは負けてしまう。
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 今日は上林の土を喰らうシリーズ第一作のヤーコンの焼き芋を作ったのだが、これがすこぶるまずい。ところがじょんはぱくぱく食べるので、ひょっとしたらじょんの方が食通なのかも知れない。P1010942

 

 

コメント
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