晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

穴虫考(99) 混迷の穴虫-3 8/23

2014-08-24 | 地名・山名考

2014.8.23(土)曇り

 記事は原爆の悲惨さを伝えたいという主旨のもので、筆者の思いも記事の意図も充分に理解できるのだが、その絵に荼毘の方法のヒントを見つけたのは何か申し訳ないような気もする。
 その絵には、「校庭で友達を焼いた日 1945年8月」とあり、「この絵の左が先生。右の三つ編みが私です」と切明千枝子さんの言葉が続く。被爆して亡くなった学校の友達を、生き残った切明さんや先生で荼毘にした事を絵に描いて残されたのだ。
P1030632


 緊急的な措置なので、これが本来の荼毘の姿なのかは解らないところがあるが、先生がスコップを持っており、浅く穴が掘られている。学校脇の畑で焼いたということで、土が軟らかくスコップでも充分に掘れたのだろう。絵からは燃料とした薪の少なさが目に付く。荼毘ついて読んだ情報では、遺体を焼くための薪はうずたかく積まれていた。絵の中の燃料は壊れた校舎の木を薪にしたとあり、「火力がないせいでね、骨格がきれいに残るの。15歳の普通の少女の感覚を失っていたと思う」と書かれている。火力が無いというのは元々燃料が少なかったのではないだろうか。
 ともあれ荼毘における穴というのはこういうものではないかと思わせる絵なのだ。
 窯墳や横穴での火葬は穴虫(穴蒸)の語源の候補には入れたが、どうも信頼感がわかない。しかしこの穴を掘った荼毘の様子を見るといかにも穴蒸という感じがするのだ。焼くことを蒸すと言えるかどうかが問題になるが、例えば「蒸し焼き」という言葉は水を使うものではなく、蓋を閉じて焼くことであるらしい。そしてこの蒸し焼き状態を先ほどの藁葬の中に見いだしたのである。つづく

【作業日誌 8/23】
草刈り(府道側のり面、畑)

【今日のじょん】
 昨日の記事でじょんがどうしていたかが抜けていた。田んぼで出たり入ったりしている時には気がつかなかったようで、ピチャピチャという音には何だろうという感じで覗いていた。最後にイタチが逃げ出した時にやっと気付いて、リードつけたまま追いかけていったので、結構やばかった。
P1030629 P1030630

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穴虫考(98) 混迷の穴虫-2 8/22 

2014-08-24 | 地名・山名考

2014.8.22(金)曇り、雨

 穴虫とは火葬場ではないかと考えたことがある。(穴虫考(90)2014.7.3)窯墳(かまふん)といって木材を土で固めた中で火葬するものや横穴の中で直接火葬する方法が過去にあるそうだ。
 しかしどちらも一般的な葬法ではなく、あちこちの地方で行われたとは考えにくい。むしろ荼毘(だび)なら仏教関係者、中世以降の都市部などでは一般的に行われたと思われるし、土葬が主流の地域でも病人や行き倒れ人などは荼毘に付されたという。
  世間では荼毘が為される時代が終わっても山の遭難者などは荼毘が一般的であった。新聞や雑誌の記事では荼毘に付されたというのをよく見聞きしたが、実際の荼毘を見たことは無い。
P1030637P1030638


文献にある異国の火葬は燃料も少なく、地面に穴もあいていない。
 薪を積んだ上に遺体を載せて焼くというのが荼毘だというのは解るけれど、現実にどのように為されるのかは解らない、ただ人一人の遺体を焼却するのには相当量の薪が必要だということは聞いたことがある。
 荼毘の方法を文献などで調べるが、なかなか具体的な方法は出てこなかったが、穴を掘ったところに薪を置き云々というのがあった。それはインターネットの情報だったと思うがそれにしても具体的にどのような方法なのかは解らなかった。
 以前に紹介した(穴虫考(90)2014.7.3)山田清吉氏の詩集にある藁葬(こうそう)に「風呂を沸かすも飯を炊くも火葬も藁じゃ だから囲炉裏は深く火葬場の火の壺もでかい」とある。この火の壺とは地面に掘った穴のことではないだろうか。
 8月1日(金)讀賣新聞の社会面に「形にのこす 2014原爆忌」という連載記事がが掲載され、「15歳のあの日走り書き」という何とも痛ましい絵が載っていた。つづく

【作業日誌 8/22】
 草刈り(ドッグランど、芝生広場)

【今日のじょん】朝散歩していると、稲の穂も出そろった田んぼの中でピチャピチャという音がする。何か居るなと思ってじっと見ていると、いつも出会うイタチがちょこっと顔を出す。カメラを向けると慌てて稲の中に消えるのだがしばらくするとそっと出てきて、プレーリイドッグのように立ち上がって辺りを見回し、目が合うとまた隠れる。自分の畑に見つけると腹が立つのだが、他所の田んぼだとなかなかかわいく思えるのは勝手なもんだ。P1030627 P1030628

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