晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

穴虫考(102) 瓢箪から駒-2 8/26

2014-08-27 | 地名・山名考

2014.8.26(火)曇り、雨

 穴虫パターンを確定するためには、谷の末端、大坂山口神社の辺りが穴虫であり、穴虫地名が付いていれば万全である。香芝市の図書館で膨大な大和国条理復元図の中からこの地域の小字を拾うが、神社の辺りはミヤ山という小字名で、どこを探しても穴虫という小字は見つからなかった。
 各地の穴虫は全て小字地名で、極小さな地域で地形的な特徴を表している。香芝市穴虫のみが大字で広大な地域を示しているのだ。どこかに小字穴虫があるはずと娘史子に府立資料館などに行って調べてもらう。しかし大字穴虫の中に小字穴虫は無かった。そしてそれどころか、古代地名の中に穴虫は見当たらないのだ。奈良県の古代地名については池田末則氏が多くの著書や辞書の編集などで活躍しておられる。それらも調べてもらったが、古代地名の中に見当たらない。自らも池田氏の著書など取り寄せたり、万葉集の中に穴虫地名を探すのだが見当たらない。P1030649
 


池田末則氏の奈良地名伝承論にも穴虫地名は見当たらない。
 威奈大村骨蔵器の墓誌銘にも穴虫地名は無く、穴虫は古代地名ではないといわざるを得ない。これは事件である、山本光三氏の穴道説は破綻するし、池田末則氏や谷川健一氏も穴師地名に関連した地名だろうと言っておられるそうである。池田氏は穴師について「三方を丘陵に囲まれた地」と言っておられる(古代地名語源辞典)が、穴虫が古代地名でないとすると穴師→穴虫という説は成り立たない。わたしも穴師→穴虫という説には懐疑的であった。穴虫は確かに金属に関連した地が多いが、各地方に細かく分散しており、金属に関係したといわれる大穴磯部(おおあなしべ)がこれほど各地で活躍したとはとうてい考えられないのである。
 著名な学者を始め、多くのアマチュアの研究者も穴虫を古代地名として見ているようだ。もちろんわたしもその一人だった。
 その理由は香芝市の穴虫があらゆる意味で古代の重要な位置であったこと、地方の穴虫も国衙、国分寺の近隣であったり、渡来人の居住地であったり、金属、葬地に関連する場合が多いことなどだろう。
P1060796
 

丹波国分寺跡のすぐ隣に亀岡市河原林町河原尻穴虫はある。そして穴虫には国分尼寺跡もあるのだ。
 これだけ重要な位置にありながら、古代の文献に出てこないのは、古代には穴虫の地名が無かったと判断していいのだろう。
 香芝市の穴虫を訪問してショックをおぼえたというのは、実はこのことに気付いたことである。
 今までに蓄積してきた、穴虫解明のヒントの殆どが古代についてのものだからである。つづく

【作業日誌 8/26】
草刈り(ドッグランど、畑)

【今日のじょん】P1030645

 

この写真何が言いたいかだって、、、連日の雨で刈ったところの草が元の木阿弥になってるってことだ。今年は6月からず~っと草刈りばっかやっている。刈った後は達成感あるけど、決して生産的でないのがつらい。

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穴虫考(101) 瓢箪から駒-1 8/25

2014-08-27 | 地名・山名考

2014.8.25(月)曇り、雨

 前回まで混迷というタイトルで綴ってきた。地名の研究というのは挫折と混迷の連続である。熟睡している間は別として、四六時中考えているのである。何百という仮説を考えては矛盾に突き当たる。三途の川原で川原石を積んでいるようなものだ。穴虫についてもそうだ、穴道説に始まって、紆余曲折の末、穴蒸火葬場説までやってきた。それらの全てが、一ヶ所の穴虫に当てはまっても他の穴虫には通用しないというジレンマに陥っていた。
 それでも各地の穴虫をまわっていると、うっすらと共通項が現れたりして小坊が持てないでもなかった。しかし一番最初に知り、様々な文献にも載る香芝市穴虫を訪れて、大きなショックを受ける。
 香芝市穴虫は大字であり、範囲も広く、大和と河内をむすぶ古代の重要な街道の町でもあり、古墳石材の最大の産地でもあり、古代葬送の道としても竹内街道の間道として使われたと考えられる。
 穴虫自体も古代官人の火葬墓地帯として、威奈大村骨蔵器など重要な遺物が発見されている。香芝市穴虫を訪れたのは、大坂山口神社からゴボ山の裾をめぐる別所ヶ谷周辺こそ真の穴虫なのではないかという期待からである。それは各地で見てきた穴虫の地形と状況がぴったりと一致しているからだ。別所ヶ谷という小字地名は現地に来て初めて見つけたのだが、これこそ将に穴虫パターンそのもので、その時は感激した。
P1030213 P1030208
 


大坂山口神社と別所ヶ谷、穴虫パターンの典型である。
 今だから言うが、祭地(神社等)ー穴虫地形の谷や街道ー葬地と連なるいわゆる穴虫パターンは両墓制で言うところの埋墓と詣墓の関係のようなものがあるのではないかと考えていた。この祭地にあたるものが穴虫であって、最上孝敬氏の言うところの”詣墓に代わるもの”ではないかと想像したのだ。
 つづく
【今日のじょん】例のイタチ、プー助がまた現れた。堤防の道を向こうからのこのことやってきたのだ。
P1030639 P1030640 P1030641
 


「おっ何じゃ?」
「イタチのプー助やないけえ」
「どこ行きやがった」

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