晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

上林の両墓制(19) 両墓制と他界観-11 8/17

2014-08-17 | 歴史・民俗

2014.8.17(日)雨 上林の両墓制(18)は2014.8.14

  新谷氏が提唱した両墓制の概念規定とはなにか。本書あるいは日本民俗学会誌214号の「民俗学にとって両墓制はとは何だったのか」から氏の文言を借りて紹介しょう。
 「両墓制とは、死体埋葬墓地とは別に石塔墓地を設ける墓制である」
 
 「両墓制における両墓とは、形態的に見る限り、一方は死体埋葬地点に施された一連の墓上装置の集合であり、他の一方はそれに対応し死者供養ののために建てられた仏教式石造墓塔の集合である」
 
 前述の土葬墓のⅠ~Ⅴを挙げて、単墓制・両墓制について「いわば無石塔墓制ともいうべき類型Ⅰを先行形態として、そこに新たに石塔という要素が付着してきたとき、その付着のしかたによって分かれたそれぞれ変化形であるとみることができるのである」

 膨大な調査資料と考察の上にはなたれた言葉であるのでそれだけを見ても理解しづらいと思うが、平たくいえば「両墓制とは死体埋葬と石塔建立の二つの墓を持つ墓制で、当然その成立は石塔発生が条件となる。従ってその発生は中世末期から近世初頭と考えられる。埋葬地点と石塔の付着のしかたによって、単墓制と分けられる。」とでもなろうか。

P1030535  
 

前述した類型ⅢとⅣの共通点についても本書の中で語られている。(写真は類型Ⅲ)

 本書の中では、両墓制の分布、両墓の呼称、両墓制成立の条件、石塔、墓参、改葬等々あらゆる問題に実に明解な答えを用意されている。それらは今後の記事の中で必要に応じて紹介したい。
 両墓制を取り巻く多くの謎や疑問、例えば石塔出現以前の墓制はどのようなものであったかとか、改葬を伴う両墓だとかがあるわけだが、それは両墓制の概念規定とは別の問題である。曖昧であった両墓制の概念を限定的に決めたという意味で「両墓制と他界観」は大いに評価できる。
 この両墓制の概念規定は両墓制を見てきた多くの学者にとっても、両墓制を知った時点からすれば随分意外な結果であったのではないだろうか。少なくともわたしにとってはそうであった。つづく

【今日のじょん】なんだこの雨は、、、昨日から雷と断続的な豪雨が続き、各地で災害が起こっている。台風の被害は少なくて済んだ両丹地方だがここにきて予想以上の被害が出ている。
 昨晩は常に稲光と雷鳴が続いてじょんも一睡も出来なかったようだ。オシッコに降りたらトイレの中まで付いてくるので、相当怖かったようだ。P1030582

 

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