「うん、十五夜お月さんいっしょに 見ようかて思うてね」
夜の思いがけない面会に母はおどろいた様子、
でもうれしそうに ベットからそっとおりて窓辺に
3人ならんで いっしょにお月様をみました・・・
「あ~きれいかねぇ・・・」
子供の頃、十五夜お月さんでは
うさぎさんがお餅をついとるげなよ~ と聞いていましたが
よーく見るとそうも見えるねぇと改めて感心したり・・・
はずかしそうに母が日記帖をひらきました
「あんまりお月さんがきれいかったので、ちょっと描いてみたたいね」
「えぇ?」
60余年、初めて見る 母が描いた絵
『 にっこり笑った こころもち横顔のかわいいお月さん』
”93歳おばあちゃん画伯”の十五夜お月様が描かれていました
ひとまわりもふたまわりも小さくなった母の姿と
ゆるやかに余生を送る喜びにあふれたこの一枚の絵
あ~今夜は 来てよかった
今夜のこの十五夜お月様、こうしてながめたこと
一生忘れないだろう・・・
~10月25日の日記より~
sakuraの勉強部屋さんよりお借りしました