hokutoのきまぐれ散歩

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温泉駅

2013-10-24 06:46:00 | 日記

鉄道シリーズ その10。駅名はその町の顔となるのか、最近、ランドマークとしての価値が強くなりつつある。特に1987年4月の国鉄民営化後は自治体や観光協会などが中心となってその町の売り物を駅名にする傾向が強く最近までに全国で359件の駅名改称が相次いでいる。

その中で多いのが、◯◯温泉駅と改称する例である。温泉のつく駅は意外に古く、最初は1914年に開業した川棚温泉駅(山口県、山陰本線)、次が翌年に開業した大滝温泉駅(秋田県、花輪線)だが、いずれも開業時から温泉は付いている。一方で温泉駅に改称した第一号は東武鉄道の鬼怒川温泉駅で改称は1927年である。今まで64駅が温泉のついた駅名に変わっているが、ピークは90年代で、さいきんは一年に1件程度、JRでは2008年のおごと温泉駅(滋賀県、湖西線)が最後である。

また、温泉とつくからには鄙びた地方の駅を思い浮かべがちだが、そうでもないものもある。異色なのは『綱島温泉駅』、1926年に開業当時から温泉が付いていた。場所は東急東横線の日吉の次の駅で1914年に温泉が開業、戦前から1950年代までは東京の奥座敷と呼ばれ、ピークには周辺に80もの旅館が存在した。しかし、戦中の1944年に当時の時勢による変更を余儀なくされて綱島駅に変更後、今に至っている。現在はご存知の通り、ベッドタウンというより高級住宅街である。ただ、今でも温泉は健在でタモリクラブでも取り上げられた東京園というレトロ温泉が一軒で頑張っているが、なかなかの風情らしい。

東京近郊にありもう一つの温泉駅が、小田急電鉄の鶴巻温泉駅である。もともとは1927年に鶴巻駅として開業、1930年に鶴巻温泉駅に改称、しかし、綱島と同様に1944年に鶴巻駅に再度改称、戦後の1958年に再度、鶴巻温泉駅に改称している。ここは綱島温泉以上に有名で、今も丹沢や大山へのハイキング帰りによる日帰り温泉として賑わっている。

温泉を地名にした場所は日本に点在しており、町名では兵庫県に新温泉町が存在する。ここは夢千代日記でも有名な湯村温泉があるが、中心の駅名は残念ながら浜坂駅である。温泉のみの駅名はないが、最もちかいのが、温泉津駅(島根県、山陰本線)であろうか。難読駅としても有名で『ゆのつ』とよむ。世界遺産の石見銀山に程近い駅で、銘酒『開春』の産地としても有名である。ただ、温泉が付いていても駅周辺に温泉がない駅もあるのでご注意を。

そういえば、北陸新幹線の新駅の名前に黒部宇奈月温泉駅が採用されることとなったのは新情報である。