hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

黒石寺~岩手県奥州市

2014-05-12 05:00:00 | 日記
古刹を巡る その11。会津の話をしたのでさらに北に上って今日は岩手県奥州市といってもわかりにくいが旧水沢市の黒石寺の話。この寺は蘇民祭という旧正月7日に行われる奇祭で有名だが、ちょうど小生がこの寺を訪れた2008年直前までは下帯もつけず全裸で行っていた(2007年まで)。しかし、ストリーキング等の問題が起こり、下帯をつけることとなった。さらにポスターをセクシャルハラスメントではないかということでJRともめるなど変な風評がたったが、純粋な宗教行事である。そうしたことはあまり知らずに2008年8月に当寺を訪れた。

写真のとおり、旧水沢市の市内からやや離れた森の中に寺配置する。開山は729年行基が東北初の寺院を開いたものとされ、その後一度兵火で消失したものの、807年に坂上田村麻呂により再興され、さらに慈覚大師が中興していまの寺院になったものである。修験の寺で今の住職は女性である。

また、本尊は木造薬師如来坐像で像内には862年の銘がある。この像は蝦夷の勇者アテルイがなくなった菩提を弔おうと坂上田村麻呂がつくらせたともいる。訪れた時は激しい雨の中、本堂のとなりのお堂にあり、住職直々に見せていただき、その立派な姿に失礼だが最果ての地にこれだけの仏像があるとはと感動したのをよく覚えている。なにしろ北には平泉の中尊寺を除き、古い象は毘沙門天ばかりしかなかったものであるから。また、この像は重要文化財だが、他にも四天王像や伝慈覚大師像も指定されている。


その後茅葺きの本道に入ったが、立派な建物で周囲から尊敬を集めているお寺だということがよくわかった。雪の中のお寺もさぞかし素晴らしいと思った次第。どうしても蘇民祭ばかりが騒がれる寺だが、ぜひ静かな中お参りしていただきたいものである。