hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

『運慶』展に行ってきた。

2017-10-08 05:00:12 | 日記

ついに行って来ました。現在、国立博物館平成館にて開催中の『運慶』の特別展。9月26日〜11月26日という長丁場でどのタイミングが良いかを測りながらも週末しか行くことができないため、朝から雨の土曜日の夕方ということで10月7日に決行。

会場に到着したのが15時半、すでに雨は止み、日が出ているため、少しは列ができているかと心配したが、行く人より帰る人の方が多い状況。中に入っても何と全く列はない。会場内も多少人が多い程度で少し待てばじっくり見ることができる。
まずは昨年見に行った奈良・円成寺の大日如来像がお出迎え。運慶の若い頃の作品だが、丁寧な仕事ぶりが目にとまる。

その先にはその時代の秀作が並び、運慶作は奈良・興福寺の仏頭。頭以外は江戸時代に火事で焼かれたと伝わる。さらに伊豆・願成就院の毘沙門天像、常楽寺の不動明王像など力強い作品が続く。面白いなと感じたのは奈良・金剛峯寺の八大童子像。それぞれに運慶の特徴があり、顔の写実性が素晴らしい。

その次が5年ぶりに見る興福寺北円堂に安置される無着菩薩と世親菩薩の像。何度見てもその表情に惹きつけられる。特に無着菩薩像は一番好きな像である。また、並べ方が面白く、周りに南円堂にいる四天王像を本来北円堂にあったとしたらと並べ替えてある。

真如苑がアメリカで落札した大日如来像(運慶作といわれている)。横浜の称名寺で公開された際に見たが、作品の完成度の高さを感じる。ただ、光背がないのが残念である。次に展示してあり、私は初めて見る栃木県光得寺の小さな大日如来像と大変よく似ている。
その向かいは3年前に見に行った愛知・瀧山寺の聖観音菩薩立像。住職が当時こぼしていたのが、江戸時代に色をつけたばかりに国宝指定されないこと。しかし、当時どのような姿であったのかを想像させてくれるその艶やかな姿は忘れられない。

他にも慶派の作品が多く並ぶが、やはり目を引いたのは最後の興福寺・天燈鬼・龍燈鬼の像。デザインも大変面白く、笑ってしまう像であるが、よく見るとその肉体美。特に尻や腿、背筋の筋肉の細かい描写には驚かされる。

最後まで約1時間半。運慶を十分堪能できた。もちろん仏像は寺にあるものだが、裏から見たり、光を当ててよく見ることができないことも多く、ガラス越しに見ていた円成寺の仏像の素晴らしさなど再認識できる展覧会であった。これほどであれば入場料1400円は十分元が取れる。さらに今回は嬉しくなって龍燈鬼のレプリカまで購入してしまった。さあ、どこに飾ろうかな。