久我山歳時記⑯。夏の旅行も1泊2日となったため、あまり遠出する機会もなく、その反動で家の周りをウロウロすることが多くなってしまった。
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しかし、ウロウロしているだけでも色々と発見がある。夕方に久我山駅で突然ひぐらしが大きな声で『カナカナカナ』と鳴き始めた。欅の多い一帯では『ミンミンミンミン』とミンミンセミ、負けずに『ジージー』とアブラゼミ。家の近くまでくると『ツクツクボーシ、ツクツクボーシ』とツクツクボウシが鳴く。姿は見えないが4種類の蝉の声を聞くことができるのである。
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久我山ではこの季節は色々な花が咲く。もう夾竹桃は終わっているが、サルスベリはいまが盛り、あちらこちらで見ることができる。花はピンク、白、赤であるが、同じピンクでもかなり色が違う。
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また、庭木に巻き付いてあたかも木の花のように大きなオレンジの花を咲かせているのが、ノウゼンカズラ。そばで見ると花の大きさに驚く。
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色違いなのはムクゲ、アオイ科フヨウ族の低木でハイビスカスの花を小さくしたような花を付ける。花びらと花の中心の色の取り合わせで白+紅、薄ピンク+紅、薄紫+濃い紫、全体が薄紫、白、ピンクなど色々な取り合わせ、さらに一重咲きか八重咲きかと組み合わせも多く、見ていて楽しい。咲き始めは6月くらいだが10月まで楽しめる。
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同じアオイ科なのは私の庭でも咲き誇っているモミジアオイ(紅葉葵)。葵のような花と紅葉のような切れ目のある葉を持つためこの名前がついた。宿根草で地上の部分は秋には枯れるが、そこで切っておくと翌年再び芽を出す。大きな5枚の花弁を咲かせるが花弁が離れているところがアオイと異なる。花の色は夏らしい緋色でとにかく目立ちたがり。
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我が家の夏の庭を飾っているのはポーチュラカと日々草。いずれも夏の暑さに強く、ポーチュラカは仲間のスベリユ同様水を多少やり忘れても強い。色とりどりな花を付け、丸い鉢から溢れんばかりに咲いている
夏といえばやはり朝顔とヒマワリ。今年はあまりに早く暑くなったせいか、朝顔の開花が遅く、最近沢山の花を付けていて目を楽しませてくれる。
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ヒマワリはかつては太い茎に大きな花を付け、花が終わった後はゴッホのヒマワリのようにやや不気味な姿をしていたが、最近はもう少し小さめな花が沢山付く種類が好まれるようになってきた。
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花ばかりでなく秋に旬を迎える実も大きくなりつつある。まずはブドウ(葡萄)である。今年は当たり年なのか、沢山の房が下がっていて始めは豆粒のような実が大きくなり、緑だった実は紫に色づき始めている。同様にブルーベリーを植えている家も。
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また、こちらは食べられないがカラスウリも青い実をたくさんつけていた。我が家の周りを散歩するだけでもこれだけの動植物に会えるのである。
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