人形町の風物詩一つであるせともの市が8月7日から3日に渡って開催中である。
人形町通りの水天宮前交差点から人形町交差点までの歩道に露店が設営され、日中から夕方まで掘り出し物を探して多くの観光客で賑わう。また、大観音前ではせとものへの感謝、発展を祈願する陶彦大神の例祭も行われた。
人形町せともの市は今回で68回目、通常は8月第1週に開催されるのだが、今年は1週間遅れとなった。例年のことだが、盛夏の開催のため、売る方も見る方も汗をダラダラ流しながら見て回る。
私はもう10回以上せともの市に行っているので、凡そどの辺りにお目当ての店が出ているのかまでがわかるようになってしまった。
以前は雛人形や正月の干支などを出品する店が多かったが、殆どなくなる一方で、日常につかうお皿、マグカップ、蕎麦猪口、茶碗、湯呑みなどがメイン。ただ、大きな有田焼の壺や銘が入った盃、赤絵の大皿などを置いている店もある。
毎年酒器、特に片口と猪口を探すのだが、全部の店を見て回り、お目当てを売っていたのが4軒、しかも陶器ばかりで磁器はなし。これは買うことが無理と蕎麦猪口を探してみたら面白いのを幾つか見つけた。小石原焼らしい模様のもの、斬新な磁器、柄と色が独創的なもの、今日のところは取り敢えず目星だけは付けてきた。
せともの以外にも木製のお椀やガラスのコップ、トンボ玉、木の匙やしゃもじ、包丁などを商う店もある。以前買ったのだが、錘がついたプラスチック製の金魚で『餌がいらない』と水槽に入れて売っている。金魚は持っているので出目金はないの、と聞くと油性マジックで黒く塗るとそれらしく見えると言われたが、やっぱり今回は買うのはやめにした。
コロナが収束して店の人と軽口を聴けるようになったことは喜ばしいことである。開催は今日まで、安く買うなら最終日が狙い目である。