虎ノ門といえば近年高層ビルが次々と完成して以前とはかなり風景が変わってきている。土地は有限だが、なくてはならないもの、例えば寺社仏閣や公園などは変わらないことが多いが、先日お邪魔した神楽坂の赤城神社同様に虎ノ門にはビルと神社が共存している。といえばお気づきになる方も多いかもしれないが、虎ノ門金比羅宮は隣接するビルと共存できている。
この宮は江戸時代に讃岐・丸亀藩主であった京極氏が江戸藩邸内に故郷の神を祀ったのが嚆矢でその後この地に屋敷と共に移されたが、庶民からの要望により毎月10日に限り、藩邸内の社への参拝が許されていたもの。
正面の鳥居をくぐり、ビル風に悩まされながら本殿にお参りする。本殿は立派な造り、ただし、戦災で焼け落ち今の社殿は1951年に再興されたもの。
本殿入口の銅の鳥居はよく見ると柱上部に四方を守る霊鳥霊獣(朱雀、白虎、青龍、玄武)がいるのである。金比羅宮は大物主神と崇徳天皇を祭神とし、海上守護、大漁、五穀豊穣、殖産興業、招福除災などにご利益がある。
さらに本殿横の結神社は結大神を祭神とする縁結の御利益があるとされ、若い女性を中心に拝む人の列が絶えない。オフィスである虎ノ門琴平タワーと共にまさに共存できている神社である。