三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

映画「スキンフォード 処刑宣告」

2023年11月30日 | 映画・舞台・コンサート
 映画「スキンフォード 処刑宣告」を観た。
映画『スキンフォード/処刑宣告』公式サイト

映画『スキンフォード/処刑宣告』公式サイト

11月17日(金)公開『スキンフォード:処刑宣告』公式サイト。人買いどもを駆逐せよ!不死身の2人が命をかける壮絶なるリベンジ・バトル!ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋...

映画『スキンフォード/処刑宣告』公式サイト

 予想とは違ったが、それなりに面白かった。オーストラリア映画というと、銃乱射事件を扱った「ニトラム」を思い出す。殺戮シーンが前置きも淀みもなくどんどん進んでいくところは、ある意味で爽快だった。本作品でも、変な衒いや躊躇いなどなく、暴力シーンがリアルにあっさりと描かれる。

 不老で不死身の女が登場し、周囲にいる人間も不死身にしてしまうという設定だが、どうして不老や不死身になったのかは明らかにされない。不死身であることはいいことばかりのような気もするが、長期間に及ぶと、いいことばかりではないようだ。
 考えてみれば、自分だけ不老で不死身だと、周りの人間たちだけが歳を取ることになる。歳を取らない人間は不気味だから、人が離れていく。人生の楽しみや苦しみを味わい尽くしても、まだ生きているから、死にたくなるかもしれない。
 しかし親密な関係の相手はどうか。もし配偶者がずっと若くて健康だったら、それはそれで幸せだろう。いつまでも若い相手と身体を重ねられるし、自分が歳を取って弱っても、出会った頃のままの姿で世話をしてくれる。
 本人は、世の中の移り変わりをリアルタイムで見られる。歴史を目の当たりにできる訳だ。不老で不死身だったら、世の中を変えることも可能かもしれない。
 問題はどの年齢のときに不死身になるかだ。やはり25歳くらいのときがベストだろう。肉体的にピークだし、セロトニンも十分で頭脳が明晰なままだ。子供の頃に不老で不死身になったら、かなり困るだろう。知らない人の前では子供にしか見えないから、行動が限られてくる。

 そんなことを妄想しながら、スキンフォードの受難の様子を見ていると、はたと気づいた。幼女に見えるあれは、もしかすると人生の楽しみがなくなって、ただ人を惨殺するゲームで暇つぶしをしているのではないか?

 どうやら本作品はシリーズ3作目らしい。B級映画ではあるが、オリジナリティがあるから続編が作られたのだろう。つい観てしまうという類の作品だ。不老で不死身の秘密が明らかになる次回作があれば、見てみたい気がする。