映画「愛と哀しみのボレロ」を観た。
第二次大戦から戦後の欧米を舞台にした、それぞれの家族の親子三世代にわたる壮大なドラマである。親子がわかりやすいように、地名が象徴的に使われていたり、大人になった息子と父親、母親と娘などを、同じ俳優が演じていたりする。
人間は、自己複製のシステムという生命の本質に従って、子供を生む。生まれた子供は、親の人生を測りながら、自分の人生の選択をする。そしてその多くは子供を生む。かくして愛と哀しみの物語は、無限に受け継がれる。
深い味わいのある名作で、リバイバル上映なのに平日昼間の渋谷の映画館は満席だった。気に入った人は、何度も鑑賞するといいと思う。登場人物の誰に注目するかで見え方が変わるから、鑑賞のたびに新しい感動を味わえるだろう。名作の名作たる所以である。