東証大引け、大幅反発 8900円台回復も商い低迷、海外日程控え様子見 2012年9月12日 日経夕刊
http://www.nikkei.com/markets/kabu/summary.aspx?g=DGXNASS0ISS16_12092012000000
12日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反発した。前日の終値と比べ152円58銭(1.73%)高い8959円96銭で高値引けし、8月30日以来、9営業日ぶりに8900円台を回復した。前日の米株式相場の上昇と堅調だった7月の機械受注統計が支えとなり、内需・ディフェンシブ株を中心に買いが入った。朝方は輸出関連株の一角が円高・ドル安を嫌気した売りに押される場面があったが、午後にユーロが対円で強含み、円高・ドル安も一服感が広がったため、売り先行で始まった銘柄は徐々に買い戻しが優勢になった。
内閣府が朝方発表した7月の機械受注統計で、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比4.6%と、QUICK集計の市場予想の中央値(1.6%増)を上回った。発表を受け、機械株などが買い戻された。
週末の株価指数先物と株価指数オプションの特別清算指数(SQ)算出を前に持ち高整理の動きも広がり、先物に断続的に買いが入った。日経平均は先物主導で上げ幅を広げる場面が見られた。「オプション権利行使価格の9000円をにらみ、オプションの買い方が仕掛け的な先物買いに動いたほか、売り方が損失限定の買い戻しを入れた」(国内証券)との見方があった。日経平均の指数寄与度の高い値がさ株が買われ、ファナックとファストリ、TDK、京セラの4銘柄で日経平均を30円超押し上げた。
もっとも、12日のドイツ憲法裁判所による欧州安定メカニズム(ESM)の合憲性判断、13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控えて投資家は様子見姿勢を強め、商いは低調だった。東証1部の売買代金は概算で8731億円と3日連続で1兆円を割り込んだ。売買高は同15億4715万株だった。
東証株価指数(TOPIX)も反発。終値は9.56ポイント(1.31%)高の741.82と、日経平均に比べ上昇率は小幅にとどまった。業種別TOPIX(33業種)の上昇率上位には「非鉄金属」「鉄鋼」「鉱業」、下落率上位に「海運業」「電気・ガス業」が並んだ。
東証1部の値上がり銘柄数は全体の約8割の1318、値下がりは234、変わらずは119だった。
TDKは買い戻しで大幅高となり、6%高で終えた。JFEやリコー、電通の買い戻しも目立った。ホンダ、キヤノン、三菱UFJなど主力株は総じて堅調で、資源高を背景に三井物や国際石開帝石が上げた。三菱マ、信越化など素材株が高く、H2Oリテイ、東武、明治HDなど内需株の上昇も目立った。味の素や千代建、ソフトバンクが年初来高値を更新した。
半面、子会社の不適切会計による損失を発表したOKIが大幅安で、一部証券会社が投資判断を引き下げた郵船が下げた。九州電や中部電など電力株が安く、中国・上海の株式相場の軟調さを背景にコマツが売られた。
東証2部株価指数は反発。ニホンフラ、山洋電、マーベラスが上げ、キャリアデザ、ニフティが下げた。
7月機械受注は予想上振れ、航空機など中大型受注が主因 先行き慎重な見方変わらず 2012年09月12日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK089252420120912
内閣府が12日に発表した7月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需受注額(季節調整値)は、前月比4.6%増の7421億円と、ロイターが集計した市場の事前予想1.5%増を上回った。鉄鋼業や航空機などで中大型案件の受注があったことが主因。内閣府では今後の動向を見極めたいとして、基調判断を「一進一退で推移している」に据え置いた。
<製造業は前月比12%増、2年半ぶり高水準>
船舶・電力を除く民需が前月比で増加するのは2カ月連続。予想を上回る伸びを支えたのは製造業で、前月比12.0%増と2009年12月以来、約2年半ぶりの高い伸びを記録した。金属加工機械で100億円に満たない中型案件が数件、航空機関連で100億円を超える大型案件の受注があったことなどが押し上げた。中大型案件の受注で、外需も同3.0%増と2カ月ぶりに増加に転じた。
製造業は全15業種中、11業種が前月から増加。6月の6業種から増加に転じた業種が増え、中大型案件を受注した業界以外でも「裾野広く多くの業者がプラス」(内閣府)となった。
非製造業は前月比2.1%減。2カ月ぶりに減少に転じた。金融・保険や情報サービス業などが苦戦した。
<設備投資、回復とは言い切れず>
予想を上回る結果に対しても、専門家の間では先行きに依然として慎重な見方を示す声が上がっている。東海東京調査センターのチーフストラテジスト、隅谷俊夫氏は「もともと振れの大きな指標。設備投資が回復したとは言いづらい」として、設備投資の基調は「円高警戒に加え、中国や欧州での景気減速懸念が根強く、横ばいからやや下方向で停滞中」と指摘。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア債券ストラテジスト、戸内修自氏も「4─6月期の減少幅が大きく、ならしてみると必ずしも強いわけでもない。景気の不透明感を踏まえると、年度後半にかけて下振れリスクに警戒が必要だ」と話している。
<7―9月期のプラス転換には毎月2.5%減上回る実績必要>
内閣府が6月に発表した機械受注の7─9月見通しは、船舶・電力を除く民需で前期比マイナス1.2%。7月のプラス4.6%を踏まえると、8月と9月がそれぞれマイナス3.8%となれば見通しを達成し、マイナス2.5%をともに上回れば7―9月実績がプラスに転じる計算となる。
ただ、7月に製造業がプラスに転じたのは中大型案件の効果も大きく、6月に基調判断を下方修正した内閣府も、慎重な見方を崩していない。エコカー補助金の効果が薄らぐ中、官公需や国内民需がどこまで踏みとどまれるかが正念場といえそうだ。
機械受注統計は、機械メーカーの設備用機械の受注実績を毎月調査。設備投資の先行指標として市場で注目されている。
7月の機械受注、予想上回り2カ月連続増:識者はこうみる 2012年09月12日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88B00G20120912
内閣府が12日に発表した7月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比4.6%増の7421億円となった。2カ月連続の増加。ロイターの事前予測調査では1.5%増と予想されていたが、これを上回った。前年比では1.7%増だった。
市場関係者の見方は以下の通り。
●設備投資回復とは言いづらい、円高や景気減速を警戒
<東海東京調査センター チーフストラテジスト 隅谷俊夫氏>
7月機械受注は市場予想から上振れしたが、もともと振れの大きな指標であり、設備投資が回復したとは言いづらい。足元では円高警戒に加え、中国や欧州での景気減速懸念が根強く、横ばいからやや下方向で停滞中にあるとみている。
きょうの日本株は買い優勢で始まり、機械受注の上振れがややプラス要因になった可能性はあるだろう。ただ、それよりもむしろ、前日に日本航空(9201.T: 株価, ニュース, レポート)(JAL)の再上場に伴う国内勢の換金売りピークを過ぎ、需給面で上値が軽くなった面のほうが大きいのではないか。JAL再上場に伴う海外勢の売りも今週いっぱいとみられ、徐々に需給環境の改善が見込まれる。
●基調は一進一退、それほど強くない
7月機械受注は予想を上振れたが、基調は内閣府の判断通り「一進一退」であり、それほど強いとは思えない。足元の外部環境からみれば輸出は急減し、生産も弱い。投資のセンチメントは弱まっている。きょうの株高については指標を好感したというより、追加緩和期待を背景とする米株高が支えになっているのだろう。
●下振れリスクに警戒、円債に材料にされず
<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニア債券ストラテジスト 戸内修自氏>
7月機械受注は平均的な市場予想に比べて若干強い内容。弱めの予想だった7─9月期の滑り出しとしてまずまずだ。ただ、4─6月期の減少幅が大きかったため、ならしてみると必ずしも強いわけでもない。5月は前月比14.8%減と大きく落ち込んだが、6月と7月の2カ月で約10%戻したに過ぎない。
直近に発表された今年度の企業設備投資計画は上方修正されている。海外景気先行き不透明が増しているが、設備投資に対して、市場関係者が抱いているほどに企業が悲観的にみているわけでもなさそうだ。ただ、景気の不透明感を踏まえると、年度後半にかけて下振れリスクに警戒が必要だ。
円債市場は海外イベントに関心が向いているため、材料視されにくいだろう。
12日の日経平均ですが、昨晩11日の欧州株式市場が英は小幅安も独1.34%高・仏0.89%高、米国株もナスダックはアップルの利益確定売りに押される形で上げ幅も小幅だったもののダウが0.52%高となるなどプラス圏で終了したことに加えて、内閣府が発表した機械受注統計が市場予想を大きく上回ったこと。円高一服感も好感されて買い戻され、前日終値(8807円38銭)よりも20円程高い8827円21銭でスタート。直後に
8821円80銭をつけるも午前10時過ぎまでじりじりと上昇を続けた後は高値安定状態(午前高値は8940円11銭)となり午前は前日比128円15銭高い8935円53銭で終了。
午後も13時過ぎまで利益確定の売りに押されましたが、その後は再びじりじりと上昇。結局終値ベースでは前日比152円58銭高い8959円96銭の高値引けで終了しました。
東証1部の79%弱に相当する1318銘柄で上昇となり、下落は同14%の234銘柄、変わらずが119銘柄で、同1部の売買代金は8731億円と7500億円さえ割り込んだ昨日よりは増えたものの、指数が大幅上昇の高値引けとなった割には閑散取引状態。
すっかり乱高下の常連入りしたジーンズメイトが今日はストップ高となる80円高の443円で22.04%高となった他、TDKが6.62%高、電通が4.72%高。
一方、子会社の不適切会計による損失を発表したOKIが11円安の89円で11.00%安、郵船が3.60%安。
電力セクターは11全銘柄で下落となり、九州電が16円安の465円で3.33%安、東北電が11円安の468円で2.30%安、Jパワーが26円安の1682円で1.52%安、東電が2円安の130円で1.52%安、北海道電が7円安の496円で1.39%安、中部電が10円安の878円で1.13%安、四国電が8円安の728円で1.09%安、中国電が8円安の858円で0.92%安、北陸電が6円安の821円で0.73%安、沖縄電が17円安の2331円で0.72%安、関西電が3円安の497円で0.60%安。
原発騒動当事者の東電は別にしても、これで株価500円割れグループは九州電と東北電に続いて北海道電と関西電も仲間入り。さすがにこの水準まで下げるとかってのJパワー騒動の時のような歓迎せざる大株主が突如現れそうで怖いのですが、お付き合いで電力株を保有している地元の有力企業もこれだけ株価が下がるのは想定を超えていたのではないでしょうか。
シャープは前日終値(208円)と同額の208円でスタートして間もない9時05分に206円をつけるもその後は上昇を続けて11時20分に217円まで上昇しましたがその直後に208円まで再び戻すなど、午前終了にかけて急調整する場面もあり、午前は前日比2円高い210円で終了。午後は一転209-212円での模索状態となり、14時46分に205円をつけるなど瞬間的に下落する場面もあったものの終盤反発。終値ベースでは前日比1円高の209円で終了しました。