日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

伝統木構造加力実験見学

2005-11-21 | 仕事・建物
 昨日は遊び疲れの身体にむち打って
八王子工学院大学へ行った。

「伝統木構造の会」と工学院大学の宮澤研究室の協賛。
実物大の2間×1.5間の構造に土壁を付けた建物を
押したり引いたりして壁や柱などの構造の損傷を計る大規模な実験。
広い実験棟の半分に既に弱い力の実験が済んだ実験体が納まっている。
土壁に少し亀裂が見られる。

油圧の機械で押す力を加えるとかすかに
「コン」「カン」と音が聞こえる。
1/30の柱の変形では少しヒビが広がった程度。
1/20の柱の上部が15センチ傾いた実験でも
見た目ほど構造の傷みはなし。
柱に取りつく指鴨居が押すと下が出て
引くと上が出るのが見える程度。

押していったん元に戻し、次には引く。
その都度計測が繰り返され、
我々見学者は自由に動き回って写真を撮る。
コンピューターが置かれている操作室も出入り自由
実験棟の壁に沿ったキャットウオークの見学も自由
公開性抜群で返って驚かされた。

昼食弁当はお握り
その間も「飛騨の高山の山車」の平成の新築映像が
流されてこちらも知識が豊富になる。

午前中で帰った人もいた中
実験は佳境に入った。
1/15が限界といわれながらも実験は続く
1/10の変形、木の擦れる音に混じって「ピシッ」
木の割れる音が響く。
柱の根元にヒビが入り、ほぞが飛ぶ。
土壁もバサッと塊で落ちた。

1/7.5の変形はビクビクもの
柱の上下にヒビ
壁は情けないくらい大きなヒビだらけ。
架構が急にみすぼらしく見える。

残念ながら倒壊以前で実験は終了。
思いの外伝統工法は地震に強そうだ。
しかし縦揺れ横揺れが間断なく短時間で襲う
地震ではこれと同じ結果では済まないだろう。

解析結果が出るのが待たれる。
映像や単なる結果のデーターでは得られない
感覚的な納得と感動を受け止められた。

耐震の考え方が少し進んだ気がして
教えてくれたコニシさんに感謝。
コメント (4)
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