日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

「降らずとも雨具の用意」\0

2006-04-04 | 趣味・遊び
 お腹が空いたので風流は一休みで昼食にする。
2階の点心席は既に大勢の人達で込み合っている。
今日の折りは「鰻のひつまぶし」にペットの「爽健美茶」
それに「蒸しパンにしますか・メロンパンですか?」
不思議なことに毎年お弁当+パンだそうだ。
この和室もなかなかのお部屋だ。
階段には丸い菱形の下地窓
庭に面したガラス窓に風雅な手摺。
高貴なお方が腰掛けてス、テキなお庭を眺めたに違いない。

お腹が満ち足りて、今度はお薄席
廊下に並ぶと「スミマセンここからあとは次のお席に」
20分待つことになった。
お庭を眺めながらお席が終るのを待っても
人の列は延びない「この調子ではクリさんがお正客では・・」
はらはらしても年配のお茶人さんはいそうもない
「皆さんがお正客ですから」
上手なご亭主に促されて我らのクリさんが正客
私がお次客になるはめになった。

お正客と次客は雲泥の差、
お正客はご亭主との会話で、お席の皆を楽しませなければならない。
次客はお正客に「お相伴します」だけ。
「聞き忘れてことは言ってよね」
仲間の3人は何の心配もないのに本人が緊張気味

お釜は少し控えめの「姥口」
お水差しはとっても古い「白磁」
お軸は「喫茶去」辰砂の花入れの牡丹は咲いてしまった。
香合は「お多福さん」
お正客のお茶わんは古い「萩の井戸茶碗」
次客のお茶わんは「牡丹」の絵柄
全て、作者は聞くはしから忘れた・・
唯一覚えているのは
お棗「尾形光琳」作
彦根さんがニューヨークのオークションで手に入れたそうだ。
日本の鑑定では「お箱」の箱書きが大事になるが
海外では中身だけが必要で、競り落としたときは箱がなかったらしい。

さあ目的のお席はおしまい。
昨日、気になっていた簾もようのガラス戸の探索が残っている。
お席は「お煎茶」から「常磐津の古典席に替わっている。
そばによってさわって見ると
透明ガラスに細工をして簾模様が描かれている。
透明と磨りが3ミリ間隔で奇麗に並ぶ。
ガラスがこんなに繊細な模様を描けるなんて、驚き。
一生懸命なな常磐津の「粟餅」の語りでは気持ち良くウトウト・・
ごめんなさい。

帰りがけにお庭を拝見。
園遊会が開けるような芝生の広場と木々が見事なコントラスト
苔には桜が散り、とっても優雅。
がけのような階段が続く下にも池が見えるものの
怪しい天気と足元不如意なのでここまで。

家に帰り着くと雨が降りだした。
持ち歩いた傘と雨コート、草履カバーを使わなかった。
「降らずとも雨具の用意」
(ご亭主に心配をかけない心持ち)
誰も心配してくれないけれど、これもお茶のマナー。
明治の雰囲気で、美味しいお茶がいただけて幸せな一日だった。
コメント
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