日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

宮部みゆき「孤宿の人」

2008-05-29 | 読書
5月は後3日、雨の多い月だった。
このところ、読書は月5冊のペースで読み進んでいる。
4月は今野敏が3冊つづいたが
5月は「償い」矢口敦子「クレージーヘブン」垣根涼介
「真夜中の神話」真保裕一、どれも満足したが

今日の話題は売れっ子作家・宮部みゆきの大作「孤宿の人」



珍しくも新書判・始めて聞く「新人物往来社」刊
Wikipediaには「日本唯一の歴史小説専門の文学賞である歴史文学賞を主宰。
ミステリー小説などの人気作家、宮部みゆきは新人物往来社が歴史文学賞で発掘した。」
とあり、深いつながりがあるようだ。

それはともかく、表紙のうさぎ(下引き)が進行人物(主人公?)だが
題名は他の重要人物を差し、帯には「少女ほう・・」云々
ハラハラ・ドキドキ・涙あり・時代背景描写ありの盛り沢山。
書店で手に取るのには大事な帯の一文だが、読み進むうちにそれが邪魔になる。
感動は予告があると薄くなる
感動は不意打ちが一番!

・・まっ、一番の主題は封建制度における階級社会と庶民のけなげさ
キッチリ調べて、地方藩の中央に対する恐怖心と情報公開されないものへの畏怖
江戸時代の庶民の生活振りが良く分かる・・
なんて書くと誰も買ったりしない本になるが・・
決められた枠組みの中で誠心誠意に正直に生きることの難しさ 
ある時タガが外れると、とんでもない事態に発展する・・
そして、何事も無かったように収束する。
階級制度をまたぐことが出来ない庶民・士分の弱さとしたたかさ・・
・・ますます買わなくなりそう・・

「新境地を開く時代ミステリーの金字塔」これは言える!

・・しかし、宮部さん
人を殺しすぎではありませんか?
コメント (2)
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