スピーディを国民に公表しなかった件について、自分たちの責任逃れのために、なりふり構わないのが民主党政権である。それにしても、酷いのが内閣府の原子力安全委員会である。菅直人や枝野幸男をかばうあまり、とんでもないことを言い出した。これから原発事故が発生した場合に、避難させるかどうかを判断するにあたっては、スピーディを活用しないのだという。「実測した放射線量をもとに判断する」というように、わざわざ見直しをしたのだった。政府の事故調査・検証委員会ですら、スピーディが用いられていれば、「より適切な避難経路を選ぶことができた」と述べているのに、それとはまったく逆の見解である。菅や枝野、さらには、今の政権与党の政治家は、自分たちが徹底的に追及され、司法の場で裁かれることを恐れるあまり、逃げ口上として、スピーディが使い物にならない、との印象付けをしたいのだろう。ケチを付けてまで、身の保身を図ろうというのだから、あまりにも浅ましい了見ではなかろうか。しかし、やるべきことをしなかったのは、それだけで犯罪である。開発費として113億円が投じられており、イザというときの備えであったはずだ。にもかかわらず、大事な局面で国民に公表されず、ここにきて、またうやむやにしようというのだから、国民無視もはなはだしい。
←民主党政権に憤りを覚えるという方はクイックを