石原新党が誕生することで受け皿ができることもあり、民主党から逃げ出す国会議員が次々と出てくるのではないか。まずは減税日本に入党して、それからというのもあるだろう。今日あたりも離党を明言する衆議院議員が明らかになっており、手が付けられなくなっている。小林興起代議士などは、民主党を出て減税日本に属していながら、公然と石原新党への参加を表明している。小林は堂々と石原慎太郎と一緒の写真をポスターに使っていた気がする。「近いうちに解散・総選挙」と約束しながら、居直りを続ける野田佳彦首相も、これで止めを刺されるのではないだろうか。政治的閉塞感を打破するために、老体に鞭打って一石を投じたことは否定できない。しかし、石原の今回の決断については、今でも私は不信感を抱いている。エリック・ホッファーが「人間の考えることの多くは、自らの欲望の宣伝である」(『全アフォリズム集』・中本義彦)と述べているように、人生の最後の賭けに出たのは、個人的な事情があったからではないか、とのうがった見方をしてしまうからだ。方針も定まらない日本維新の会と手を結ぶのは、あまりにも無謀である。それを石原自身が知らないわけではないだろう。あえて暴走を試みるのは、一人の人間として、自分の可能性を確かめたいからだろう。人生の終点を前にして、勝負に出る気持ちは分からないでもないが、第三極を目指すよりも、当面は民主党政権を倒すことに専念すべきだと思う。
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