野田佳彦首相ほど厚顔無恥な政治家はいない。政権はガタガタで、民主党から今日も二人の代議士が逃げ出したのに、どこ吹く風の所信表明演説であった。政権について、「国のために一時預かるのだ」(『国家とは何か』)と考えたのが江藤淳であった。守らなければならない国の根本がまずあって、そのために政治が行われるのである。政権維持を自己目的化するのは、国の根本を無視した党利党略でしかない。また、江藤は今日の事態を予想したかのように、民主党に危惧の念を抱いていた。「彼らは何かいえば、市民が大切だと言い、国民はどうでもよいと言う。では、国はどこにあるのかと聞くと、個人の人権を守るだの、ネットワークで緩やかなつながりを作るだの、そういうことばかり言っている」(『同』)と批判していたのである。連綿として続いてきた日本国は、民主党が政権を取っても変わるわけがないし、変わってはいけないのである。そのことを理解しないから、サヨクが権力を手にすると、平気で居直るのである。嘘ばかり吐いているために、国民からも見放され、野党からも相手にされない野田首相が、「近いうちに国民に信を問う」どころか、「あすへの責任」を20回も繰り返したのには嗤った。さらに離党者が出て与党が衆議院で過半数割れをし、不信任案が可決され、野垂れ死にするつもりなのだろう。国の重みを理解できないわけだから、それがサヨクの限界なのである。
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