草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

太宰治のごとく「はにかみ」ながら政治を論じるのが東北人だ!

2013年01月09日 | 思想家

 東北の冬は厳しい。視界に入るもの全てが荒涼たる雪景色ばかりであれば、その上をなぞることは、まったく意味をなさない。だからこそ、目が自分自身に目が向いてしまうのだ。大宰治が自虐的であったのは、東北人だったからだろう。得意気に胸をそらすのとは、まった無縁な者たちなのである。亀井勝一郎の『無頼派の祈り』よると、太宰は聖書を座右の書にしていたという。そして、「視よ找なんじを遣すは、羊を狼のなかに入るるが如し。この故に蛇のごとく慧く、鳩のごとく素直になれ」との聖句に惹かれたことを取り上げて、亀井は「彼はこれを異教的に読み、背徳の指針とし、そして最大の敗北をイエスに見ようと欲したにちがいない。自分のデカダンスを、聖書によって完成しようとした、宗教的に云えば『不逞の徒である』」と論じたのである。自嘲的になるのは、東北の風土の育んだ気質のせいではなかろうか。会津弁で「きめっこ」という言葉がある。標準語では「すねる」というように理解されているが、本来の意味は「はにかみ」に近いのではないか。太宰も「きめっこ」の人であったようだ。しかし、自らを卑下したような言葉を口にするために、ついつい誤解されてしまうのである。亀井も「彼は正義を、笑みをもって、真理を、冗談をもって言うからふざけているように誤解される」と書いている。私が政治を評論するにあたって、ある種ためらいがあるのは、太宰的なものを背負っているからだろう。正論を吐くにあたっても、それを口にするだけの人間であるかどうか、それを気にかけるのが東北人なのである。


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パソコンや携帯端末の進化で才能開花のチャンスが増大!

2013年01月09日 | 科学技術

 ドコモのスマートフォンで文章を打っている。なかなか難しいが、手足のリハビリをやっているような不思議な心持ちである。今からもう20年近く前、東京の六本木にあった広告代理店のクリエーターと話をしたことがあった。二人して「そのうち携帯端末が注目されるようになる」と予想していたのを覚えている。しかし、ここまでなるとは、私も思わなかった。名刺入れを一回り大きくしただけなのに、その機能は目みはるものがある。昨年の2月に京都駅前の喫茶店で、パソコンを持ちこんでいる人が多いのに、ビックリしたことがあった。それが一つの流行になってきているのだ。書斎やアトリエにこもってというのは、時代遅れになるのではないだろうか。これまでは、コンテンツとしての文章を書いたり、絵を描いたり、音楽をつくったりするのは、特定の人たちの仕事であった。それが普通の人でも、時間あれば挑戦できるのである。それもコーヒーを飲みながらである。一定程度の能力の持ち主であれば、日々研さんを積むことで、プロとして認められる可能性があるのだ。それは同時に、マスコミや学会、そして、アートの世界で安住してきた者にとっては、厳しい試練の時代になるだろう。書かずの大記者だったり、鳴かず飛ばずの学者は、自分たちの地位が危うくなるわけだから、戦々恐々に違いない。世の中は根本から変わりつつあるのではないか。どんな人であろうとも、才能を開花できるチャンスがあるわけだから。


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安倍政権の成長戦略は市場任せではなく国が積極的に関与!

2013年01月09日 | 経済

 第二次安倍政権の経済政策がほぼ出そろった。そこで注目されるのは、成長戦略に関してである。ケインズ的な金融の緩和と公共投資は、あくまでも短期的な景気対策であり、長期的に見れば、成長戦略に軸足を移すことになるからだ。最近では「骨太の方針」という言葉も復活してきている。それは2001年6月に政府が発表した「今後の経済財政運営及び構造改革に関する基本方針」の通称。「いかなる経済においても生産性・需要の伸びが高い成長産業・商品と、逆に生産性・需要の停滞する産業・商品とが存在する。停滞する産業・商品に代わり新しい成長産業・商品が不断に登場する経済のダイナミズムを『創造的破壊』と呼ぶ。これが経済成長の源泉であると」書くとともに、労働や資源などの経済資源が成長分野に流れていくためには「基本的には市場を通して行われる」との立場であった。だからこそ、「市場の障害物や成長を抑制するものを取り除く」というので、規制緩和が声高に叫ばれたのである。しかし、成長戦略一辺倒では、デフレから脱却できなかったのも事実だ。安倍晋三首相は、当面の危機を脱するために、まずは景気回復に全力を挙げ、次のステージで持続的成長を目指そうとしている。小泉構造改革は「構造改革なくして真の景気回復なし」とのスローガンに固執し過ぎた。最終的には市場に任せるとしても、国の関与は必要なのである。安倍首相は、医薬品分野に力を入れることを表明しており、「骨太の方針」を一定程度踏襲するとしても、大きく様変わりしているのである。


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