日本のマスコミはあまりにもお粗末だ。読売新聞の勝股秀道が「『尖閣危機』中共の危機に乗せられるな」という一文を書いている。日本が勇み足をすることの危険性を説き、「先に手を出してはならない」の一点張りである。勝股なる人物は、経歴上は防衛大学校安全保障研究科の修士課程を修了しているようだが、第一線の自衛隊員の気持など、どこ吹く風だ。何をされても手を出すなというのであれば、まず海上保安官や自衛官の命をどう考えているかだ。今回のアルジェリアの人質事件でも、日本人が殺されたが、武力行使を中共が行えば、その非ではないのである。防空識別圏で、自衛隊の戦闘機が攻撃をかけるわけもないのに、わざわざその可能性に言及するのも、何か意図があるような気がしてならない。軍事の専門家を装いながら、あくまでも政治的な発言であり、防衛上の技術的な議論が欠落している。中共の脅威が切迫しているのに、「じっと我慢する時だ。マスコミはもとより責任ある政治家は、そのことをきちんと認識しなければならない」と自分たちの弱腰を正当化しているだけだ。これでは、法整備が整っていない間に「尖閣諸島を攻めてください」と言っているようなものだ。肩書だけは読売新聞調査研究部の主任研究員だそうだが、能天気なお花畑で、本来であれば、批判するにも値しない。読売新聞に掲載されたから、問題にせざるを得ないのである。
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