草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

安倍首相はデフレを誰よりも嫌った石橋湛山に学ぶべきだ!

2013年01月06日 | 経済

 日本のマスコミは、かの石橋湛山をして、ファシズムに抵抗したリベラリストとして評価するが、それはあくまでも一面的でしかない。昭和21年春、石橋が衆議院選挙に立候補したのは、インフレ必至論に異議を唱えたかったからだ。何度も『東洋経済新報』において「戦後日本の経済で恐るべきは、むしろインフレではなく、生産が止まり、多量の失業者を発生するデフレ的傾向である。この際、インフレの懸念ありとて、緊縮財政を行うごときは、肺炎の患者をチフスと誤診し、まちがった治療法を施すに等しく、患者を殺す恐れがある」(『湛山回想』)と主張したのだ。これに対して、当時の経済学者は、圧倒的に反感を持つ者が多かったという。時の政府も石橋に与しなかった。当選したことで、石橋は第一次吉田内閣に大蔵大臣として加わり、そこで大胆な経済政策を行ったのだ。汽車を動かすにも、化学肥料を増産するためにも、石炭が欠かせなかった。窮余の一策として石橋は、大々的な融資を実施した。石橋自身が認めているように「それは、確かに一面において、インフレを促進したに違いない。しかし、その危険を冒さなければ、石炭の確保は出来ず、汽車もあるいは止まったかも知れない」のである。石橋は昭和31年12月14日、自民党総裁に選出され、12月23日には首相に就任している。翌年1月に病気で短命政権に終わったとはいえ、デフレを誰よりも嫌ったのである。安倍首相は第二の石橋湛山を目指すべきであり、当面は、金融緩和と公共投資に全力を傾けるべきだろう。


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第二次安倍内閣は新自由主義の劇薬を服用するなかれ!

2013年01月06日 | 経済

 第二次安倍内閣が誕生して、そのブレーンのなかに、新自由主義の経済学者が含まれていることが問題になっている。いうまでもなく、自民党が変わったといわれるのは、それまでの新自由主義から保守主義への転換があったからだ。「構造改革なくして成長なし」とのお決まりのスローガンから訣別して、公共事業を中心にした景気回復に舵を切る。それが象徴するように、実際は大きく変わったのである。しかし、その一方で、安倍首相は、成長戦略を考える上で、竹中平蔵慶応大学教授らを引き込みたい考えがあるのだろうか。日本維新の会やみんなの党のご意見番であることから、手懐けたいのだろうか。私が気がかりなのは、竹中らの硬直したイデオロギーである。経済は生き物であり、その時々の状況に応じて対応すべきである。市場経済一辺倒では、格差社会を拡大させるだけであり、国民にとっては、迷惑な話なのである。清水幾太郎は『現代思想入門』のなかで、「思想」について含蓄のある言い方をしている。「私たちの日常生活を顧みても、普通は習慣に従った機械的行動の連続であって、思惟や反省は殆ど入り込んでいない。そして、突然、何か新しい事態が発生して、習慣的行動では埒が開かなくなると、その時に初めて私たちは立ち止まって考える。思惟や反省という薬に手を出す」。イデオロギーは薬と同じで、病気を完治させるために、必要に迫られて服用するのである。それが劇薬で副作用が強かったわけだから、同じ薬に手を出すのは愚かである。


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