麻生副総理の今回の発言や、安倍総理の憲法改正の方針などを槍玉に挙げて、日本がファシズム国家になると本気で信じているとすれば、頓珍漢にもほどがある。今なお国防軍を持てず、交戦権もない国家が、どうしてファシズムになれるのだろう。それよりも、ソ連型の共産主義国家中共の存在にこそ、危機感を持つべきだろう。戦後民主主義に毒されたお花畑は、日本は攻められなければ、実感がわかないのだろう。永井陽之助の『現代と戦略』では、レーニンの残酷無慈悲なやり方が、ヒトラーのナチズムに受け継がれたことが書かれている。「レーニンは、クラウゼヴィッツの強調する戦争における精神的要素ー士気、精神力の重要性を学び、革命指導と大衆動員の技術として、宣伝と扇動がいかに有効であるかを経験によってたしかめた。いいかえれば、革命は、もはや下から、人民が自然発生的にやむなく起ちあがるものではなく、現実のなかに潜在的可能性としてある、さまざまな矛盾、利害の対立、不平不満を、作為的に宣伝と扇動によってかきたてる、事前の計画によるものとなった。また、革命の大義を大衆のわかる単純なスローガンのかたちで、教化、注入し、動員しなければならない。この準備、計画、作戦を練る参謀本部が、ボルシュヴィキ党である」。永井は「組織化された虚偽」といった政治的な武器の発明者を、レーニンその人に帰したのである。ボルシュヴィキの一番の戦略は、革命のためにはお人好しの平和主義者をたぶらかすことであった。それが「ナチズのシニシズムとなって、より悪魔的な様相を濃くしていった」のである。ナチズムの起源は、もともとはレーニン主義なのである。
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