ようやく日米安保条約について議論すべき時機が到来した。昭和35年の改定にあたってそれを支持したのは、会津人の国際法学者大平善梧ただ一人であった。保守派を代表して、サヨクの言論人に論戦を挑んだのである。今になってみると、日本人の多くは日米安保条約を支持しているが、ここにきて問題点が浮き彫りになってきたのではないだろうか。あのときに大平は、会津人らしく筋を通すことを求めた。アメリカとは運命共同体にあるにせよ、日本の国益も踏まえることを主張したのだ。それでも米ソ冷戦の時代にあっては、日本はアメリカを信頼することができた。しかし、オバマ政権になってからのアメリカはどうだろう。中共と日本とを同等に考えているのではないか。これでは日本人が不信感を抱くのはあたりまえだ。日米安条約の第一条では、国連憲章にのっとって「純粋に防衛的性格のもの」であることが強調されている。そして、わざわざ「自由主義を護持し、日米両国が諸分野において協力することを定める」と書いてある。普通であれば「議会制民主主義とか言論の自由を尊重する」とか表現すればいいのに、あえて「自由主義」と表現したところに、アメリカの権謀術数が見てとれないだろうか。アメリカは日本を防衛する義務を負っていながらも、そこに前提条件を付けているのだ。問題になるのは「自由主義」の定義である。アメリカがよく口にする市場原理主義を指し、戦後レジームの維持を含むのであれば、それを認めるわけにはいかない。戦後日本の政治は、日本国憲法と日米安保が車の両輪であった。どちらも日本の主権を制限することに重きが置かれている。見直すべきは当然なのである。日本が真の独立を達成するためにも。
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