アメリカ大使館が毎日新聞の取材に応じ、都知事選で田母神候補の応援演説した百田尚樹さんを批判するようなコメントを出した。とくに、カチンときたのは百田さんが「原爆投下と東京大空襲を大虐殺」と位置づけ、東京裁判を「これをごまかすための裁判」と述べたからのようだ。アメリカ大使館は「ばかげた意見」と決めつけたそうだが、本当にそうなのだろうか。山田風太郎の『戦中派不戦日記』には、昭和20年3月9日夜半から10日にかけての東京大空襲について書かれている。「昨晩目黒で、この下町の炎の上を悠々と旋回しては、雨のように焼夷弾を撒いているB29の姿を見ていた。おそらくきゃつらは、この下界に住んでいる者を人間仲間とは認めない、小さな黄色い猿の群とでも考えているのであろう。勿論、戦争である。敵の無差別爆撃を、天人ともに許さざるとは何とか、野暮な恨みはのべはしない。敵としては、日本人を何万人殺戮しようと、それは極めて当然である。さらばわれわれもまたアメリカ人を数十万殺戮しようと、もとより当然以上である」。350機近いB29による焼夷弾攻撃が行われ、約9万人もの無辜の民が死亡したのである。山田風太郎の怒りを蒸し返すつもりはないが、それは明らかにッ戦争犯罪であり、「大虐殺」であった。その事実は否定すべきではないだろう。歴史に真摯に向き合うことこそが、真の日米友好に結びつくのである。それにしても、アメリカ大使館が、特定アジアに与する毎日新聞ごときの策略に引っかかるようでは、心もとないことこの上ない。
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