アベノミクスが失敗したというのは、批判のための批判でしかない。民主党政権時代と比べて株価は上がったし、デフレから脱却する動きは加速した。円安によって日本の輸出産業は勢いを取り戻した。中共や韓国との競争に耐えられるまでになったのだ。足枷になっていたのは、民主党政権時代に決まっていた消費税増税であった。自民党が政権を奪還してからそれを実行に移す段階になった。安倍首相を支持する保守の側から異論が出たものの、民主が主導して自民、公明の三党合意が成立していたために、安倍首相はそれに縛られる羽目になった。しかし、今回ばかりは違った。財務省の言いなりにならずに、保守に歩み寄ったのである。これに対して面子を失った民主党やマスコミは、事実を語らずに歪曲して報道している。笑ってしまうのは、株価が大幅に上昇したのを取り上げながら、「国民の十数%の株の所有者しか恩恵を受けていない」といった議論が横行していることだ。株高になれば企業の業績も良くなり、それが雇用や設備投資にも結ぶつく。銀行を通じなくても使える金が潤沢になるからだ。もちろん、その一方では円安によって原料の値段が上ったりするにしても、仕事がなくなるデフレよりは深刻ではない。国が応急的な手当てをすれば乗り越えられるレベルである。アベノミクスが失敗したから消費税増税を見送るのではない。アベノミクスを成功させるためであることを 、ここで私たちは確認すべきだろう。