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晴れた日の夕刻、黄金に輝く三尊像が現れる 「極楽山 浄土寺」

2021-09-27 14:03:05 | 文化想造塾「神社仏閣」

神戸・新開地より神戸電鉄で約1時間、神戸市から約30キロ北西に位置する小野市にある

「極楽山 浄土寺」に数年越しの参拝が実現した。

 

この浄土寺は鎌倉時代に初期、重源上人によって開山された寺院。

1192年に創建され、そのときのままで残っている浄土堂は、

重源上人によって中国から伝えられた「大仏様(天竺様)」という建築様式で造られている。

この様式は天井がなく垂木など屋根裏が見え、

貫(垂直木材間を通す水平材)と言われる方法が用いられているのも特徴の一つ。

東大寺の南大門や開山堂などとともに全国でも珍しい建築様式で造られた国宝のお堂である。

 

 

その浄土堂もさることながら、堂内に安置されている国宝「阿弥陀三尊立像」を拝顔することを楽しみに参拝した。

お堂の中央部に阿弥陀如来、両脇侍に観世音菩薩像と勢至菩薩像が立っている。

中央の阿弥陀如来立像が5m30㎝、両脇侍のそれぞれの立像が3m70㎝の高さの仏像である。

通常の寺院にある本尊としては驚きの高さで、その三尊像に光があたればそれは、それは壮大な仏様に変身される。

 

 

その壮大な仏様を拝顔したくて訪ねたのだが、残念ながらその日は見ることができなかった。

実は、晴れた日の夕方にはそれが見られるのである。

立像の背後に造られた木格子に板を張った釣り戸である蔀戸(しとみど)から差し込んだ西日が床に反射し、

その光が天井にあたり立像に降り注がれる仕組みになっている。

その光景が、阿弥陀様が菩薩を連れ、

雲に乗って西方浄土から迎えに来る「ご来迎」のように見える不思議な世界を創り出していく。

とくに夏からお彼岸にかけては陽射しが強く、その稀に見る光景が体感できる。

 

 

訪れたその日は薄暗いお堂内で三尊像の見上げ楽しませていただいた。

堂内は撮影禁止なので皆さんには見ていただくことはできないと思っていたが、

浄土寺のご配慮で写真を提供していただいた。ぜひ、ご覧ください。

 

 

※浄土寺様のご配慮に心より感謝申し上げます。

 

リポート/ 渡邉雄二 写真/ 浄土寺


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