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■ 大島渚監督

2013-01-16 14:48:00 | ノンジャンル
 


 映画監督の大島渚さんが 15日午後 3時 25分、肺炎のため死去した。
 80歳だった。 との報道があった。

 私が 22歳~ の頃映画の仕事をしており、監督の 3 作品に係わった。 日本大学芸術学部映画学科を 20 才で主席中退 (笑) して映画人になって 2 年目の頃で、「 使いっ走り 」 のなにものでもないが、充実した日々を過ごした。 監督は若干 38歳~ であったが、若造の私は監督に相当なオーラを感じた。

 3 作品とは、
 「 東京战争戦後秘話 (1970年) 」 「 儀式 (1971年) 」 「 夏の妹 (1972年) 」で、この後、「 愛のコリーダ 」 → 「 愛の亡霊 」 → 「 戦場のメリークリスマス 」 と続いて行く。 ATG ( アート・シアター・ギルド ) の全盛期であったと思う。
 
 物議をかもす作品が多く、社会派監督としての位置を確立して行く過程だったかも知れない。 音楽は武満徹さんで、前衛的な音楽で大島監督作品の色付けに大きく貢献している。

 作品の説明は冗長になるので、興味のある人はネットで検索して頂くとして、私の簡単な印象を少しだけ書いてみたい。

■ 「 東京战争戦後秘話 」 はストーリーの展開 ( 構成 ) が計算され、最後のシーンは鳥肌もの。 不思議な作品。 1969年の羽田闘争を題材にしており、当時の世相が見事に描かれている。 公開された年には 70 年安保の騒動があった。 2011年 8月 DVD 化されている。

■ 「 儀式 」 これは、大作で外国にも輸出された ( フランス映画際にも出品されたと思う )。「 日本の家長制度 ( しきたり ) 」 を描いた奥深い内容のもの。 一回見ただけでは理解できないほど ・・・ 難解な映画 ? 。 全体に重たく、鑑賞するには、それなりの覚悟がいる (笑) 。 大島監督の、国内での評価を不動にした傑作。 河原崎健三、佐藤慶、乙羽信子、小山明子など重鎮揃いである。

■ 「 夏の妹 」 は栗田ひろみ ( 新人 ) の最初で最後の作品。 舞台は沖縄。 映画評論では 「 観光映画 」 と揶揄される。 栗田ひろみの素人ぶり、前作の 「 儀式 」 と比較されるのは止むを得ない評価かもしれないが、私は素晴らしい作品だと思う ( 贔屓目 ? ) 。 石橋正次、りりィ が見事にサポートしている。

 当時の記憶で書いているので、微妙な間違いがあるかもしれない。 当時の私は、映画人であり、テレビマンを小馬鹿にしていたが、今はこの様な事はない .....と言う事にしておく(笑)。 実は、この後、私はテレビマンになってしまうのだが(笑) ..... 。

 ただ、映画と TV ( ドラマ ) の作品の作り方 ( 姿勢 ) は全然違うと、今でも思っている。 お金を取って観てもらうか、タダで見れるかの違いは大きい。
 

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