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〔号外〕 教皇フランシスコの粋な計らい
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イタリアの郵便局は全く当てにならない。いつ先方に届くか見当がつかないのだ。それで、大事な急ぐ郵便物はわざわざバチカンポストに持っていく。同じローマにあっても、別の独立国で、先進国並みの真面目なサービスが期待できるからだ。
今朝、平山司教様の手紙5通をバチカン郵便局から出すために、聖ペトロ広場に行った。すると、脇の郵便局の周りに人だかりがしていた。その人だかりを縫って進もうとすると、長髪にひげ面のハンサムな男性が私を呼び止め、ちょっとテレビのインタビューに付き合ってくれないかと誘った。きれいなお姉さんがテレビカメラをこちらに向けた。(あれっ?普通はカメラを男が、マイクはお姉さん、じゃないの?)
話のテーマは、「この郵便局の脇に教皇フランシスコは今朝から散髪屋とシャワー室を開業した。浮浪者にただのサービスを始めたのだが、あなたはどう思うか。賛成か、反対か?」というものだった。
「つまり、浮浪者として私はそれをどう受け止めるか、という質問ですか?」と問い返し、「粋な計らいだと思いますね。私も早速お世話にならなければ・・・」と答えた。
すると彼は、私の汚い格好を改めて見て、これはまずいことを言って私を傷つけたと思ったか、照れ笑いをしながら「いや、それは、実は私の問題でもあるんですがね」としきりに自分の長髪と髭をなで回した。
それだけのことだが、昼ご飯のテーブルでその話は笑いを誘った。司教様は私の姿をじろじろと見て、その恰好じゃ無理もないネ。面白いから、早速ブログに書いたらいい、と話を振ってこられた。
街角の日本人浮浪者
(おわり)