今年亡くなったドナルド・キーンさんの最後のエッセイ。
彼はオペラの愛好家で、本職の日本文学と同様にオペラを愛し、深い洞察力を持った
聴き手だったようです。この本には、彼のオペラとの出会いからニューヨーク
メトロポリタンオペラ(MET)でのオペラ鑑賞の日々、コンサートの記録、
曲の内容や歌手の評価など、人生に大きく影響を与えた音楽の世界を紹介しています。
音楽の聴き方や歌手の特徴等には、多少マニアックなところがあって、
正直、私のような素人にとっては、彼が取り上げた全く知らないオペラや歌手の評価を
読んでみても実感が伴わない感じがあります。
でもオペラ好きの人にとっては、おそらくとても楽しめる内容ではないかと思います。
今年亡くなってとても残念ですが、最後にこのような本を残してくれて、
彼のファンとしては、大変有難く思いました。
紹介されている曲のいくつかは聴いてみたいと思います。
因みに、私が好きなオペラは、モーツァルトの「魔笛」です。
オペラ初心者向けのファンタジーで、何度も聞いた大好きな曲ですが、キーンさんには
このオペラは眼中に無かったようで、一言も触れられていなかったのが残念でした。