「魯山人の食卓/北大路魯山人」を読みました。
美食家で知られている北大路魯山人の著作集。素材の選び方から調理法、食べ方まで日本料理に関する様々な薀蓄が述べられていて、日頃料理にあまり興味の無い私にとっても大変参考になります。多くの言葉で料理を語る魯山人ですが、料理の評価となると「美味しい」「美味い」「不味い」の3つくらいしかない。日本語の語彙には、味覚に対する表現が少ないといわれますが、魯山人でもだいたいこの3種類の言葉だけで表現しています。逆に言えば、いかに手を加えてみても料理というのは「美味い」と「不味い」でしか判断できなのかも。この本を読んでいてそう思いました。
参考:「魯山人料理語録」より
・天然の味に優る美味なし(なるほど)
・誰でもふつうに、商売人の手になった料理は、美味いものかのように考えるが誤認である。なるほど、商売人は料理の玄人である。しかし玄人はいろいろの条件において料理をする。第一に値段を考えて料理をするであろう。邪道であるけれども、商売上であれば、採算のとれるようにするのが第一義で、料理は第二義。ここに堕落がある。しかし、仕方のないことである。だからわれわれは玄人の料理だからといって、金を出して食う料理を美味いものとするのが誤り。そして、それが家庭の料理を滅亡に導いてしまったのである。(確かに)
・どうしても料理を美味しく作れない人種がある。私は、その人種を知っている。その名を不精者という。(魯山人自身はどうなのか)
なでしこジャパンが、国民栄誉賞を受賞することになりました。国民栄誉賞の規定について、Wikipediaには、「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった者についてその栄誉をたたえる」、表彰の対象を「首相が本表彰の目的に照らして表彰することを適当と認める者」としています。この基準に従うと、なでしこジャパンの受賞は違和感なく受け入れられるものですが、対象者の選定を行うのが首相というところが、少し気になるところです。
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ちなみに歴代の受賞者は、
1 王貞治 プロ野球選手 ホームラン世界新記録達成(756号本塁打)
2 古賀正夫(古賀政男) 作曲家 独自の曲調“古賀メロディー”作曲による業績
3 長谷川一夫 俳優 真摯な精進 卓越した演技と映画演劇界への貢献
4 植村直己 冒険家 世界五大陸最高峰登頂など
5 山下泰裕 柔道選手 柔道における真摯な精進、前人未踏の記録達成など
6 衣笠祥雄 プロ野球選手 連続試合出場世界新記録達成
7 加藤和枝(美空ひばり)歌手 真摯な精進、歌謡曲を通じて国民に夢と希望を与えた
8 秋元貢(千代の富士) 大相撲横綱 通算勝ち星最高記録更新、相撲界への著しい貢献
9 増永丈夫(藤山一郎) 歌手 歌謡曲を通じて国民に希望と励ましを与えた功労、美しい日本語の普及に貢献
10 長谷川町子 漫画家 家庭漫画(サザエさん)を通じて戦後の我が国社会に潤いと安らぎを与えた
11 服部良一 作曲家 数多くの歌謡曲を作り国民に希望と潤いを与えた
12 田所康雄(渥美清) 俳優 映画「男はつらいよ」シリーズを通じて人情味豊かな演技で広く国民に喜びと潤いを与えた
13 吉田正 作曲家 独自の曲調“吉田メロディー”の作曲により
14 黒澤明 映画監督 数々の不朽の名作によって国民に深い感動を与えるとともに、世界の映画史に輝かしい足跡を残した
15 高橋尚子 陸上選手 2000年シドニーオリンピック女子マラソンで優勝
陸上競技で日本女子選手初の金メダル
16 遠藤実 作曲家 世代を超えて長く愛唱される、情感に満ちあふれた名曲を数多く世に送り出した
17 村上美津(森光子) 女優 長年にわたり芸能分野の第一線で活躍し、特に『放浪記』において2000回を超える主演を務めた
18 森繁久彌 俳優 芸能の分野において長年にわたり第一線で多彩に活躍。数多くの優れた演技と歌唱は広く国民に愛された
19 FIFA女子ワールドカップドイツ2011日本女子代表 女子サッカーチーム FIFA女子ワールドカップにおいて初優勝し、最後まで諦めないひたむきな姿勢によって国民に爽やかな感動と、東日本大震災など大変困難な中で日本国民がいる中で、困難に立ち向かう勇気を与えた
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となっています。リストを見ると受賞者は、スポーツ選手と芸能関係者に限定されていると言っても良いくらい偏っており、業績だけでなく話題性も選定の必要条件になっているようです。(マスコミの協力も必要?)亡くなられた方や、長年の実績を残された芸能関係者には、国民栄誉賞は素直に受け入れられる賞かもしれませんが、現役のスポーツ選手には、却って重荷になりそうな気もします。例えば、高橋尚子選手は、受賞の後の成績は泣かず飛ばずでした。MLBで日本人選手史上初の首位打者となったイチロー選手は、小泉内閣から授与を打診された時、「国民栄誉賞をいただくことは光栄だが、まだ現役で発展途上の選手なので、もし賞をいただけるのなら現役を引退した時にいただきたい」と固辞したそうです。現役選手だったら、イチロー選手の気持ちはよく判ると思います。この先、栄誉賞に相応しい活躍ができるかどうか判らないし、受賞してしまうと国民の期待も重荷になるでしょう。そういう意味では、今回、受賞するなでしこ達の今後が少し心配です。この受賞が変なプレッシャーにならなければ良いのですが、、。
先週の小倉のレースに「トラバント」という馬が出走していました。1番人気で、結果は12着。期待を裏切る残念な結果となってしまいました。「トラバント」というのは、東西冷戦の頃の東ドイツの車の名前です。あるWEBサイトには、このような説明があります。
「1989年のベルリンの壁崩壊とともに当時の西側諸国にも広く知られるようになる。ただし、広く知られるようになったきっかけは「製造開始の40年前からほとんど変わらぬ性能」「車体が紙で出来ている」「エンジンルームとガソリンタンクが隣同士」「注文してから納品まで10年以上かかるため新車よりすぐ購入できる中古車の方が高い」等、西側の常識では考えられない仕様に対するネタとしての側面が強かった。しばしば「旧態依然として、柔軟性に欠ける、硬直した東側の旧社会主義体制」の比喩としても用いられる。」まあ今の基準で言えば、「ポンコツ」の代名詞みたいな車です。
トラバントに纏わるジョークも数多くあって、、
質問「トラバントの値打ちを倍にするには?」
答え「満タンにする。」
質問「トラバントの新車マニュアルにはどんな情報が含まれているか」
答え「バスの時刻表」
質問「トラバントを追い越すにはどうすれば良いか?」
答え「そのまま歩き続けること」
質問「トラバント1台を消滅させるにはどうすればよいか」
答え「錆び取りスプレーをシュッとかける」
質問「トラバントにエアバッグが付いた。その説明書にはどう書いてあるか」
答え「事故にあったら、大急ぎで膨らませてください」
まだまだ作られそうです。そういうトラバントも、最近は希少価値が高まって人気があるそうです。You Tubeには、トラバントのCMもアップされています。
しかし、この競争馬に「トラバント」と名付けたオーナーの気持ちがいまひとつ判りません。よくある受け狙いなんでしょうか。名前に負けずに、頑張って欲しいです。
F1ハンガリーGPは、バトン選手が優勝しました。
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雨の混乱をバトンが制す。可夢偉は入賞ならず=F1ハンガリーGP決勝(TopNews)
2011年F1第11戦ハンガリーGP決勝が、7月31日(日)の現地時間14時からハンガロリンク(1周/4.381km)で行われ、雨で混乱したレースをジェンソン・バトン(マクラーレン)が制した。小林可夢偉(ザウバー)は、11位になった。小雨が降る中でスタートしたハンガリーGP。この雨が白熱のレースを演出することになる。レース序盤に2番手スタートのルイス・ハミルトン(マクラーレン)がトップに立ったものの、いったんはやんだ雨が再び終盤に降り始めた際、ドライタイヤで走り続けたジェンソン・バトンがトップの座を奪う。そのままバトンが優勝。バトンが初優勝の地で迎えたF1参戦200戦目を、優勝という最高な形で祝った。
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小雨が降ったり止んだりの難しい条件でしたが、バトン選手はカナダGP同様に上手く路面コンディションを読んで勝利しました。初勝利もハンガリーで、その時も雨による大荒れのレースでしたが、今回はまた違った意味で状況判断が難しいレースだったと思います。彼は上位のドライバーに比べて突出した速さは持っていませんが、冷静なドライビングで危険を回避したり、タイヤと路面の関係を把握する上手さを感じます。ベッテル選手がしぶとく2位に入ってポイント差はほとんど縮まりませんでしたが、上位の車の性能が拮抗してきており、この先何があるか判らないので、バトン選手も未だ候補として考えておいたほうが良さそうです。
小林可夢偉選手は、中盤まで好走して一時は7位あたりを走っていましたが、自らのタイヤ選択ミスにより後退してしまいました。とても良いレース展開だっただけに、後半ジリジリと順位を下げてしまったのが残念です。でも後ろに5-6台の車を従えて防戦奮闘する彼のドライビングは素晴らしかったと思います。駄目になったタイヤで数周に渡ってブロックし続けましたから、少しは見せ場を作ったように思います。良いタイヤを履いて「小林を抜いて、エキサイティングだった」とコメントして喜ぶドライバー(ブエミ)もいるくらいですから、可夢偉選手は大物ドライバーなのかも。