神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

鞍佐里神社

2011-08-23 23:58:56 | 神社
鞍佐里神社(くらさりじんじゃ)。
場所:静岡市清水区由比西倉沢313。JR東海道本線「由比」駅の北、約1.6km。駐車場なし。
薩埵峠を由比側に下りてきたところ(写真1)から200mほど歩くと、崖側に鳥居があり(写真2)、急な石段を上っていったところに当神社がある。
当神社の創建時期は不明だが、日本武尊東征の途中、薩埵峠で賊の焼き打ちの野火に遭い、馬の鞍の下に隠れた。日本武尊は神明(天照大神)に祈り、難を逃れた。鞍は賊の火矢で焼け燃え落ちてしまったため、この地を「鞍去り」といい、それが訛って現在の地名の「倉沢」になったという。
現在の祭神は日本武尊であるが、元々は薩埵峠の山上にあり、「山之神」と称されていた。薩埵峠の駐車場にある「薩埵峠山之神遺跡」というのは、当神社の旧社地だったという趣旨である。賊に野火を仕掛けられたというのは、「焼津」・「草薙」と同様な話で、後から付会されたものとしか思えない。山神だから、元は大山祇神(木花咲耶姫の父神)だっただろうと言う説もあるが、単に薩埵峠(磐城山)を神格化したもの、あるいは薩埵峠の交通安全を守る地主神だっただろうということ良いのではなかろうか。それが、ヤマト政権の支配下に入って、日本武尊と結び付けられたのではないだろうか。


写真1:薩埵峠に向かう由比側の登り口。分岐を左に行くと、JRの線路を越えて国道1号線に合流する。


写真2:道路際の狭いところに建てられた「鞍佐里神社」鳥居


写真3:社殿


写真4:拝殿の蟇股の浮彫り。日本武尊が野火を払っているところを表現している。


写真5:社殿下の道路端にある丸い石。由来等は全く不明だが、山梨県では「丸石神」という信仰があり、道祖神と同一視されるものともいわれるので、あるいは同様のものかもしれない。
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