![]() | それでも企業不祥事が起こる理由 |
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日本経済新聞出版社 |
この本、昨年購入し、読んだものだが、退社した会社に置いてきた。もう一度読みたくなって再び購入したものだ。企業不祥事がなぜ起こるか、弁護士である著者の経験から書かれている。その例も豊富だ。
パロマの一酸化炭素中毒事件、NHKインサイダー取引事件、ダスキン事件、こんやくゼリー事件、花王のエコナ事件、雪印事件、参天製薬事件、崎陽軒のシューマイ回収など、良い例、悪い例が参考になる。
この本で印象に残ったものが一つ。「あってはならないという呪縛」。悪いことをした会社の幹部が記者会見で、「あってはならないことを起こしてしまって・・」というのが決まり文句である。著者はこれは違うという。リスクは必ずある。したがってリスクの存在を認め、それを小さくするのがリスク管理なのであるそうだ。
私も経験上、同感だ。「事故は起こしていいけない」というと、もし起こしてしまった当事者は、隠すしかなくなる。従って小さい事故を見逃すことになる、大きな事故が起きてしまったときは取り返しがつかなくなる。
事故は小さい段階で、公表し、これを対策に反映し、事故を少なくすることが大切なのである。