資格マニアの徒然草ブログ

目標としていた70歳で五百資格、2年前倒しで達成しました、これからはジャンルに関係なく、徒然なるままに書いていきます。

八甲田山とリーダーシップ

2012年02月23日 | 診断士活動(マスターコース)
八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


 新田次郎氏の小説である。映画にもなった。先々週プロ講師養成講座の3分プレゼンでリーダーシップの問題として取り上げていたため、文庫本を購入して読んでみた。

 時は日露戦争の2年前、陸軍がロシアと戦争になったという想定で、雪中行軍の訓練を計画した。青森第5連隊と弘前第31連隊が競争して行軍を行うものだった。

 弘前第31連隊は、雪山の厳しさを想定して、少人数で十分な装備、そして現地の案内人を付け、訓練を経たのち、雪中行軍を行う。指揮命令系統も全権委任でしっかりしており、苦労するが雪中行軍に成功する。

 一方青森第5連隊は大人数で出発直前に人数を揃え、装備も不十分、案内人もつけない。責任者の大尉が指揮するが、その上の中佐が途中割り込んでくる。案内人も入らないと言ったり、天候悪化のため行軍途中で中止を相談していたら、進め!と勝手に決めたり、間違った方向に進んだり、指揮命令系統がめちゃくちゃになる。そして、遭難。助かったのは10人ほど。200人が死亡した。

 対照的な組織のリーダーシップである。青森第5連隊のリーダーシップなど実際ありそうな話だ。

 この事件は実話で、一昨年紅葉の八甲田へ旅行したとき、遭難の石碑があると聞いた。当時新聞記者だった、あの石川啄木!!が募金活動を展開したそうだ。

 この本300ページ位で、地図も付いていて読みやすい。組織の長といわれる人に読んでほしい小説である。
コメント
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