アベノミクスの真実 | |
クリエーター情報なし | |
幻冬舎 |
表紙に「安倍総理」公認とある。易しい表現でアベノミクスを詳しく解説している、良い書籍だ。マスコミでは第三の矢が重要だと言われているが、私はどうもおかしいと思っていた。そのことが48頁から52頁にわたり、きっちり書かれている。安倍総理は知っているのだ。
第三の矢は、民間投資を喚起する成長戦略。その中で最も重要なのは、規制緩和。医療・介護・教育など現在でも需要が供給を上回っている分野は、規制緩和すれば直ちに有効需要が発生する。しかし、特定産業をターゲットにした税制支援などの政策は注意が必要。特定の産業の将来性は、政府が知っているというものではない。民間に任せるべき。ただし、外部経済性の大きいiPS細胞などは政府が支援する必要がある。
第三の矢を行うためには、第一の矢をしっかりやっておく必要がある。需要不足の中では、規制緩和しようとしても既得権益の強い反対にあう。企業の投資が活発になっても、円高なら海外に逃げてしまう。TPPをやるといっそうデフレがひどくなってしまう。海外との激しい競争の結果、デフレで状況で失業しても再就職ができない。
従って第一の矢が最も重要である、というもの。私が心配したことが安倍総理は全部わかっているようだ。まずデフレ脱却だ。その上で、第三の矢の成長戦略。それも今規制で超過需要になっているものと外部経済性が大きいものに限定する。成長産業などは民間が試行錯誤で見つけていくものだ。解雇規制の緩和など産業競争力会議の連中は何を思っているのか、トンチンカンなことを提案している。
しかし、昨年の今頃、民主党の世の中からは、とても想像できなかったアベノミクス。世の中がいい方向に向かっているのは間違いない。(TPPは例外だけど)