企業不祥事事典―ケーススタディ150 (日外選書Fontana) | |
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私は、企業の管理者研修の講師を行っている。その中の科目にリスク管理・CSRを入れている。企業の不祥事が相変わらずあり、また事件によってはその影響がきわめて大きいためである。そして研修で話すネタをいつも集めている。ガス業界でいうとパロマ事件などがそうである。パロマほどではなくとも、丹念に集めれば、インターネットでもかなり集まる。
昨日のテレビニュースで、大事件を見つけた。イタリアのアリタリア航空で従業員がお客の荷物から、金目のものを集団で盗んでいたというものだ。見つかったのはローマの空港だが、ミラノやナポリでも疑われているという。飛行機にカメラをつけて何と1年間だ。こんな事件は聞いたことがない。
これはこれは、日本でいえば、日本航空か全日空で、社員が集団でお客から盗みを働いて1年間見つからなかった、というものだ。国内で発生したら、間違いなく、この航空会社は消えてなくなるだろう。盗んだ従業員は懲役、その上司も厳しい処分、役員は全員解雇、会社名も変えて、飛行機の色も塗り替えて、全社員教育を徹底的に行い、再出発することになるだろう。それほどこの事件は前代未聞の事件になるだろう。
さて、イタリアだ。CSR検定によれば、海外では意外にコンプライアンスは厳しい。どんな処分になるか、他山の石としたい。