![]() |
地震イツモノート (ポプラ文庫) |
クリエーター情報なし | |
ポプラ社 |
熊本で地震が続いている。被災した方々にお見舞い申し上げたい。金曜日、読売新聞の一面にいい記事が載っていた。地震の大きさの単位、ガルとカインの記事だ。最近カインのニュースが増えてきた。
ガルは加速度の単位で地震のインパクトを知ることができる。昔から慣用的に使われている。一方、カインは速度の単位、建物被害との関係はこちらの方が関係が深い。ガルは地震被害との相関が弱いが、カインは地震被害と相関が高い。ところが、カインという単位が、世間にはほとんど知られていないものだから、時々混乱してしまう。300ガルで被害が出ることもあるが、500ガルで被害なし、ということもある。
実は都市ガス業界は、早くからカインを使っている。地震計も単位がカインのSI値という指標を使っている。加速度計は、振り子が揺れて、傍の金属に触れると導通して地震動を検知する、という簡単なしくみだ。または球が揺れてお皿から球が落ちて感震という落球式もある。ところが、カインは一定の範囲の周期の速度の大きさを合計するため複雑で、データ量が多い。従って価格も高くなる。
地震で即時都市ガスを止めるのは原則60カイン以上だ。第一次停止基準という。30~60カインは被害状況を見て停止する場合がある。第二次停止基準という。この辺は、都市ガス工業にも記載されていて、ガス主任技術者試験にも出題されたことがある。カインが普及して来て、ガルと混乱がなくなればと思っている。
最後に、気象庁がよく使ってる震度、計測震度。こちらも計測するのは速度で、カインと非常に似ている。こちらも被害をよく表す単位だ。以上、地震の豆知識でした。