高校とってもやさしい化学基礎 | |
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ガス主任技術者試験の講師をしている。都市ガスの技術が出て来る資格なんだが、基礎理論という科目もある。これは、学校の勉強の延長だ。化学や物理だ。私は別に学校の先生になるための学習をしてきたわけではない。そのため時々、説明の方法ででつまずくこともある。
その一つが、モル(mol)だ。物質量ともいう。SIの基本単位だ。これ以上分解できる単位はない。しかも、この単位、㍍や秒、㎏と同じなんだが、どうもピンと来ない。学校で言うと、高校になって初めて出て来る単位なのだそうだ。従って、ここでつまずき、化学を苦手にしてしまった人も多いそうだ。
1mol当たりの質量を、モル質量という。単位は、g/molだ。例えば、水( H2O )のモル質量は原子量がH=1、O=16 なので
1×2+16=18 (g/mol) となる。また、質量と物質量、モル質量に関係は、質量=モル質量×物質量 の関係がある。水(H2O=18)のモル質量は18g/molなので、質量は、18×1mol で18g となる。
もう一つ、1molは、どんな物質でも22.4ℓだ。小数点二桁以下の数字もあるが、一桁まで覚えれば十分だ。さらにℓの1千倍はm3、従って、1kℓ=1m3 だ。22.4ℓの1千倍は22.4m3だ。このとき、質量もグラム(g)からその1千倍のキログラム(kg)に変わってくる。試験問題の出題は、モル(mol)又はm3、どちらもある。
ドルトンの分圧の法則では、モル分率というキーワードも出て来る。混合ガスの一方のガスのモルの割合のことだ。混合ガスA1molと混合ガスB1molモルのうち、Aのモル分率は1/(1+1)で0.5だ。これは簡単だが、本試験では、A,Bガスの質量比2:1の場合のモル分率は、いくらかという問題も出されている。こうなると、その場で答えを出すのはちと厳しい。やはり事前に演習しておかないとムリだ。ああややこしい、厄介だが、ずとっ付き合わないといけないのだ。