ロウソクの科学 (角川文庫) | |
三石 巌 | |
KADOKAWA |
ろうそくの科学、この本は、リチウム電池でノーベル賞を受賞をした吉野さんが、子供のころ先生に勧められて読み、これが科学者にかるきっかけになった本だ。
そして、この本、古典だ。中学生の頃から本のタイトルだけは知っていた。今から約150年前、イギリスのロンドン王立研究所での講演録だ。講演者は、かの著名なファラデー。ファラデーの法則で知られている方だ。
ファラデーの法則は、ガス主任技術者試験の学習では、燃料電池の電気化学反応の、反応量と通過電荷量の関係、q=zFn q:通過電荷量、z:電荷数、F:ファラデー定数、n:反応量 になる。過去、この式を使って本試験での出題もある。
ファラデーは、ほかに電磁誘導や電気分解の法則、そしてベンゼンなどを発見、ブンゼンーバーナーを作り、アノード、カソード、イオンという用語はファラデーが一般化した、大変な方である。
肝心の本の内容だが、講演の単位で6講からなっている。1講はろうそくの炎や原料、構造、明るさなど。2講は燃焼に必要な空気、3講は燃焼からの水の生成、4講は水素、5講は酸素と二酸化炭素、6講は炭素と、燃焼で出てくる原子分子が順々に出てくる。
ただし、読みにくい。多少実験の図はあるものの、ほとんど文章だけで実験内容を追わないといけないため、大変疲れる。途中でやめようかな、とも思ったが我慢して読み終えた。現代の書籍では、わかりやすい図をつけるのが一般的になっているが、この本はそうでもない。
ガス主任試験の学習に出てくる、炭素、酸素、水素、窒素などを実験で追っていくというなかなかのストーリーなんだが、なにせ読みずらい。これ、子供たちがほんとに読むんだろうか、疑問に思ってしまう。あんまりおすすめの本ではないよ。