最近、「国宝が危ない」というテーマで、文芸春秋?などで東京国立博物館(東博)の方が、論文を出している。(私は論文そのものは読んでいないが)主旨は、緊縮財政で、予算を削られて、電気代など国宝を維持することが難しくなっている、という内容だそうだ。
私、国宝検定上級の取得者で、バッジも頂いている。また、東博には足繫く通い、東博ファンでもある。その国宝の維持が難しいという。困った問題だ。
Yahooの記事にも、このテーマが載っていて、ヤフコメ欄にもだいぶ書き込みがある。ほとんどが、東博を応援する書き込みだ。嬉しくは思うが、その書き込みのほとんどは、予算削減に対して、増税の前に歳出を見直せ、他の予算を削れるだろ、中には国会議員の報酬を半分にしろ、というものもある。
言ってることは、間違ってはないが、私は、そもそも予算を削減することが間違っていると思う。民間や家計の予算と違って国の予算は膨張するもの。経済(GDP)が成長すれば、国の予算も成長する。決め手は国債の発行だ。おりしも自民党の政調会長がヘッドで、防衛増税の見直しを検討する委員会が立ち上がった。その中で、国債の60年ルールを見直す、という。
実は、これが今回の本質だ。三橋ブログで読んだが、国債は「国の債務」のような気がするが、そうではない。「国庫債券」という。国債を発行すると、バランスシート上、負債も同時に発生するから、国の負債欄に書いているだけだ。別に返さなくても誰も困らない。国債≒日銀券(現金紙幣)だ。紙幣を増刷して困るのはインフレだけ。コロナ対策で3年間で90兆円も出したが、インフレの気配もなかった。昨年来の今のインフレはウクライナ戦争が原因だし。
国債の名称はとにかく、国債元本を返済している国は、日本以外、どこにもないそうだ。従って60年返済ルールも日本だけのルールだ。じゃ、他の国はどうしてるか、金利分だけを予算化して、返済しているそうだ。日本は自国通貨(円)建てだし、なお心配はいらない。
60年ルールを撤廃すると「通貨の信認が落ちる」と、財務官僚に吹き込まれて、素人財務大臣が言ってる。じゃ、他国は通貨の信認がないのか、変な話だ、財務省のウソがばれるぞ。
ということで、その証拠に、グラフの通り、国債は積み上っているが、その国のリスク、つまり金利は低いままだ。だから、支出を検討するなら、埋蔵金(これも国債を積んだもの)→国債発行→歳出見直し→増税の順だろう。歳出見直し、見直せば、必ず誰かが収入減になる、無駄のように見えても誰かがその分支出してGDPに寄与している、従って優先順位は低いのだ。さあ、こうすれば、国宝も守れるぞ!
出典・三橋貴明 HP新世紀のビッグブラザーへ