長距離に関してはほぼ素人です。それが分かっていて感じたことを書きたいと思います。検討外れなことを書くかもしれません。素人の戯言だと思ってもらえると幸せます。
たまたま移動時間に女子マラソンの車で聞いていました。移動中はテレビが映らないので。元々そこまで長距離に関心はないのですがここ数年真面目に長距離について考える事があります。そういうのあって何となくマラソンを付けていたというのがあるのですが。
ペースメーカーがレースを引っ張る。目標とするベースに合わせてレースを作ってくれる。ここ最近はネガティブスプリットで前半よりも後半の方が上がったりすると聞いていました。が、最初から目標記録に合わせたペースで走る。速いんじゃないかなと思いながら。
女子の有力選手が多く出ている大会ではなかったのかもしれません。外国人選手が最初から前にいて日本人選手は遅れる。解説は「2時間28分は出ます」という期待を持たせる話をしていましたが結果は2時間33分だったか。かなり大きな差があります。
先日行われたMGCでは女子の参加者が少ない。参加基準記録を突破できない選手が多かった事が原因。難しいんだろうなと勝手に思っていました。が、今回のマラソンのレースを聴きながら「何でなのかな?」と素朴な疑問を持ちました。素人なので(笑)
以前はオリンピックで金メダルを取っていますし、入賞も続いていました。15〜20年前くらいになるのでしょうか。この頃は本当に女子マラソンは強かったなと。高橋選手や野口選手は今と比べるとかなり強い。それが2時間28分を切る選手が少なくなってあるのはなぜなんだろう?とかなり気になりました。
先日のblogに書きましたが、シューズ自体はかなり進化していると思います。厚底だとか薄底だとかという議論はあるでしょうが「シューズの機能」としては間違いなく進歩しているのではないかなと。そういう機能面では15年くらい前と比べると変わっている。
練習に関しても色々と変化していると思います。国外のトップ選手の練習なども紹介されているので様々な形で新しいものになっていると思います。それなのに世界との差は大きく広がっていく。
この辺りに関しては「女性の社会進出」と重なるのではないかという意見も聞きました。外国でスポーツにおける女性の参加が積極的になってきているので。アフリカ系の選手が飛躍しているというのはそういう部分があるのだと思います。
が、外国人選手の活躍とは全く別の話で「日本人選手の記録」というのが低迷している部分はあると思います。シューズも練習も変わってきているはずなのに。外国人選手が速いというのももちろんありますが日本人選手が走れないというの大きいのではないかなと。誤解なきよう書いておきますが「素人」が感じたことを書いているだけなので長距離関係者が気分を害される事がないようお願いします(笑)
話を聞いていくと高橋選手や野口選手は「大器晩成型」です。高橋選手は大学時代まで大きな結果を残していない状態で小出監督の所に懇願してチームに入れてもらったという話は有名だと思います。その後世界最高記録を出すまで力をつけていく。
それを考えてみると中学生の記録などは以前と比べると速くなっているのかなと思います。少し前にその話になって数年間の県20桀を見てみる。追跡調査のような形でしょうか。そうすると中学3年生の記録と高校3年生の記録で10秒も速くなる事が少ない。トップの方は中学時代にかなりの記録を出しているのだと思います。それはそれですごい事だと思いますが。
これが大学生まで見てみると殆どの場合が中学や高校の記録を更新できない。練習の違いなどもあるのかもしれませんが。知っている選手、中学1年生の時に全国的に大活躍しましたが高校3年生の時にはブロック大会にギリギリ進めるという感じでした。
女子に関しては早熟傾向が強いというのもあると思います。その時期に強度の強い練習を入れていけばかなり伸びるのだと思います。高校に入ると体型の変化などもありなかなか記録が伸びなくなる。そして故障が多くなる。難しいですね。
短距離も同じ傾向があると思います。が、長距離の方が顕著に出やすいのかなと。
ここからは個人的な主観が入るので。山口国体の時に女子幅跳びの選手がいました。隣の県出身の選手です。高校時代インターハイで優勝。すごい能力がありました。が、大学時代は故障により殆ど競技が出来ず。そんな中で社会人となりまた競技復帰。苦しんでいた部分はありましたが国体で優勝。さらに数年後には日本代表まで数センチの所まで行っていました。すごい話です。
今年100mHで日本記録を更新した寺田選手。高校時代100mHでインターハイ3連覇。3年時は100mでも優勝しています。大学に進まずそのまま競技を続けるが故障が続いて引退。結婚出産を経て女子ラグビーに転身。更に陸上競技に戻ってきてその年に日本記録更新。競技を離れていたから経験できることがあるのかなと。
話が少し逸れた感がありますが。これはfnt先生が言われていたと思うのですが「人間は走れる量が決まっている」と。だから走り込みで長い距離を何本走る練習は殆どしないのだと。これは私の記憶違いかもしれないので怪しいですが。これは実に真理を突いているのではないかなと感じています。
長距離種目は身体が細い時には記録が出やすい。それによりかなり走る。やった分だけ結果に直結するので本人たちも喜んで走ると思います。が、これが高校生になると少し体型が変わってくる。中学時代の練習量を越えなければ現状維持さえ危うい。そうなるとやはり走る量が増えていく。それが故障に繋がる。体重が増加してその状態で走るのだからやはり足にかかる負担は大きい。
それが大学になるともっと難しくなる。長距離は特に大変だと思います。幸か不幸か選手によっては体型が変わらない場合がある。そうであれば記録が保てるかもしれない。が、やはり難しい。ずっとストイックにやっていける選手ばかりではないでしょうし。
若いうちに「脚を使いすぎている」というのが少なからずあるのではないか。大器晩成型の選手というのは中高ではそれほど活躍していない。注目されないのでそこまで大きな負荷をかけていないかもしれない。ある程度身体が落ち着いてきてから負荷が増していくのでそれに対応して力が出せるようになる。
これら完全に主観なので全く見当違いなのかもしれません。男子は中学のチャンピオンが高校でチャンピオンになる事がある。女子はそれが起きにくい。発達段階も影響していると思います。全中チャンピオンが日本チャンピオンになるというのは極めて稀。ここに指導の難しさがあるのかなと。
初めてインターハイに進んだrina。大学や実業団で競技を続けるという選択肢もありました。それなりに声をかけて頂いたのもあるので。本人は「先生の下でないと伸びないと思うのでもうやらない」と言っていました。この時は「ありがたいな」という気持ちが強くありました。が、今考えてみると「これ以上は走れない」という部分があったのかもしれない。
当時はかなりの量をやっていました。週2回は「150m×5本」を3セットやっていた。そこから更に走るという練習もありました。今考えると本当に野蛮な練習だったのかもしれません。それくらいやらないと勝ち上がらないという気持ちがありました。それに応えてくれる選手たちだったというのもあると思いますがそれに甘えている部分があった。これだけやれば「お腹いっぱい」になる可能性はある。
高校野球。「甲子園に出る」というのが最大目標になる。そのためピッチャーは酷使される。他のポジションと比べると圧倒的にダメージが大きくなる。それによりプロに入って故障をしてしまい続けられなくなる。
高校野球にとっての甲子園というのは本当に大きなものなのだと思います。そこに行くためなら何でもするという感覚の中でやっている。憧れの場所。だからピッチャーは連投をする。そこに人生を賭けているというのもあるのかもしれません。高校生にとってそこが野球のピークであっても構わないというくらいの意気込みでやっているのだと思います。
これは我々指導する側も考えなければいけない部分だと感じています。結果が出るから早い段階でやりすぎてしまう。高校生であればやはりインターハイ。そこに向けてどれだけのエネルギーを注ぐか。だから自然と負荷が強くなってしまう。走る量が増えてしまう。
ある程度力が付いていなければ大学でも続けようとというのが少なくなるというのもあると思います。が、走りすぎで「脚を使いすぎてしまう」ことが大きな伸びを失ってしまうのかもしれない。
まとまりません。マラソンを見ながらなんとなく感じたことを書きました。他意はありません。本当にそう感じたので書いているだけです。それぞれのカテゴリーで何ができるのか。
色々な種目で課題があるなと感じています。それをどう自分たちで考えるか。見えてきませんがしっかり自分のこととして考えていきたいと思います。